積水化学工業は28日、アジアでの需要が急速に拡大していることを受け、塩素化塩化ビニル樹脂(CPVC)の生産能力を増強すると発表した。
生産は同社連結子会社の徳山積水工業(山口県周南市)で行い、生産能力は年産4万トンを予定(増強後。現在は3万3000トン/年)。建屋増設・設備導入を行い、完工は2013年夏を予定している。
同社はCPVCやポリビニルアルコール樹脂(PVA)の製造・販売を行う機能樹脂事業を展開している。CPVCとは塩素を付加した特殊な塩化ビニル樹脂(PVC)で、主に耐熱性が必要とされる給湯用・工業用・スプリンクラー用の配管材などの原料として用いられており、同社は国内外で販売している。
近年、南アジア・中東などの新興国において、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材が金属系からCPVC製に代替が進んでおり、併せて経済成長に伴う建築需要も旺盛となっている。これに伴い、CPVCの需要が毎年拡大し、今後も堅調な伸びが期待される。同社はこれに対応すべく今回の生産能力の増強を決定した。
今後もアジアの新興国を中心にCPVCの需要拡大が見込まれており、同社は需要の推移を注視し、海外生産拠点の新設も視野に機能樹脂事業の拡大を図っていく方針。
2012年11月29日