合成ゴム 価格改定寄与し増収 化学メーカー各社の3月期第1四半期

2011年08月22日

ゴムタイムス社

 化学メーカー各社の2012年3月期第1四半期連結決算が出揃った。合成ゴム、各種エラストマー事業の売上高は東日本大震災の影響を一部受けたものの、主要原材料価格の上昇に対応した価格改定により各社増収となった。

 JSR
 合成ゴム販売はIR、EPDMが震災の影響により、国内自動車生産の大幅な落ち込みによる販売数量の減少はあったが、SBR、BRなどの汎用合成ゴムが、タイヤメーカーの旺盛な需要に支えられ堅調に推移。主要原材料価格の上昇に対応した価格改定も加わり増収となった。
 日本ゼオン
 タイヤ向けでは顧客の需要が堅調に推移し、自動車関連部品向けでは震災などによる自動車生産減により落込んだが、原料高に応じた価格改定の実施により、販売数量、売上高とも前年同期を上回った。
 三井化学
 エチレン及びプロピレンは、昨年度に実施した定期修理がなかったため、生産量がいずれも増加。ポリエチレン及びポリプロピレンは、震災の影響により販売数量は伸び悩んだものの、原燃料価格上昇に伴う販売価格上昇により、売上高が堅調に推移した。
 住友化学
 合成樹脂や石油化学品は、震災の影響を受け、一部製品の国内出荷が減少したが、ナフサ等原料価格の高騰に伴う海外市況の上昇や国内販売価格の是正により、販売が増加した。
 旭化成
 ポリマー系事業では、震災の影響により国内自動車向けエンジニアリング樹脂の販売量が減少したが、旺盛なアジア需要に支えられたタイヤ向け合成ゴムが好調に推移した。
 宇部興産
 ポリブタジエン(合成ゴム)、ナイロン樹脂は、原料調達や自動車向け需要などの面で東日本大震災の影響を受けたが、販売は堅調。
 電気化学
 クロロプレンゴムはアジアを中心に販売数量が増加したほか販売価格も上昇し増収となった。
 東ソー
 クロロプレンゴムは原料価格上昇による製品価格是正を実施した。
 昭和電工
 アクリロニトリル、合成ゴム「ショウプレン」、機能性高分子事業は販売価格の上昇により増収となった。
 ダイキン工業
 フッ素樹脂は、中国・アジアでは、需要好調に伴い売上高は前年同期を上回った。しかし、4月末に竜巻に見舞われた米国での販売が停滞したことなどにより、フッ素樹脂全体での売上高は、前年同期並み。
  フッ素ゴムは、欧州の自動車関連需要が好調で売上高は前年同期を上回った。
 信越化学工業
 国内販売では電気、電子、化粧品用などが堅調に推移。夏場の電力制限対策のため、顧客の前倒し生産による需要増の動きも見られた。

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