バンドー化学の12年度上期の搬送樹脂ベルト事業は、売上高は前年同期比1ケタ台ながら増収となった。食品・食品機械向けが堅調に推移しており、同業界において高い評価と実績のある「サンラインベルトFシリーズ」が好調に推移した。
通期の業績についても前期比1ケタ台の増収を見込んでいる。食品・食品機械向けが引き続き堅調に推移、販売拡大に取り組んでいくが、物流・物流機械向けも積極的な展開を図り、さらなる販売拡大につなげていく計画。
同社は中期経営計画「DM―2」において、伝動ベルト事業を核にグローバルでの事業拡 大に取り組んでおり、アジアを中心とした生産・販売ネットワークを構築している。搬送樹脂ベルト事業においても本年11月、成長著しい中国の食品、物流業界をはじめとする各種工場用搬送設備向けに軽搬送ベルトの拡販を図ることを主目的に、中国上海市に搬送用ベルトの加工を行う新会社、阪東(上海)工業機帯有限公司を設立するなど、これら生産・販売ネットワークを活用し、海外での販売にも注力していく方針。
上海に設立した新会社は、搬送用ベルトのエンドレス加工や付帯加工を行い、2016年度に3億円以上の売上高を目指す。資本金は約3800万円で董事長には岩井啓次氏が就任。
バンドー化学は1972年に日本初の搬送樹脂ベルト「サンラインA」の販売を開始して以来、顧客の問題解決を通して改良を重ね、耐湿熱ベルトや非付着ベルトなど顧客ニーズの向上に合わせて品揃えを拡充してきた。
近年は加工食品が小口化する傾向があり、小プーリ・ナイフエッジ仕様の需要が増加している。また、安全・安心のため異物混入対策に関心が高まっている。同社ではこうしたニーズに応えるため「ミスタークックF1218収縮対策ベルト」や「ミスタークックF2224非付着ベルト」の2製品を昨年上市した。今後も変化する顧客ニーズに合わせた研究開発が重要になると考えている。
なお、同社全体の通期連結業績については、売上高850億円、前期比1・6%減と減収ながら、営業利益は50億円、同9・4%増、経常利益50億円、同13・8%増、当期純利益32億円、同122・2%増の増益決算を見込んでいる。