三菱電機と島津製作所は19日、使用済み家電製品のリサイクル工程で選別回収したプラスチックの種類を99%以上の精度で瞬時に識別する「リサイクルプラスチック高精度素材識別技術」を共同で開発したと発表した。
これにより、手作業で行っていたリサイクルプラスチックの純度検査を自動化することができる。
開発の特長として、着色剤や添加剤の含有量にかかわらず、回収したプラスチックの種類を識別可能、搬送板上のプラスチックフレークへの中赤外光の照射と反射光の解析を、識別アルゴリズムにより約1秒間で行い、99%以上の高精度識別を実現など、高速・高精度に識別することができる。また、サイズの異なるプラスチックフレークを識別位置に自動搬送し、連続識別が可能、識別したプラスチックフレークを種類別に自動選別することが可能となった。
今後の展開として、三菱電機は同技術によりリサイクルプラスチックの純度検査の効率化を図り、高純度自己循環リサイクル量を拡大していく。島津製作所は家電リサイクルをはじめとするプラスチックリサイクルに適用可能な装置の製品化を目指す方針。
なお、同技術開発は経済産業省平成23年度産業技術実用化開発事業費補助金(資源循環実証事業・プラスチックの高度素材識別技術及びリサイクル素材化技術)を受けて実施された。
三菱電機は地球環境の負荷低減や資源の有効活用を目的とし、使用済み家電製品を再資源化して再利用する「自己循環リサイクル」に取り組んできた。これまで、ハイパーサイクルシステムズ社で行っていた鉄や銅、アルミ、そして単一素材のプラスチックの回収に加え、選別が困難であった「混合破砕プラスチック」を回収する技術を開発し、2010年度に業界初のプラスチック大規模素材化工場をグリーンサイクルシステムズ社にて稼働させ、ポリプロピレンなど家電製品の主要プラスチックのリサイクル量を拡大してきた。
今般、手作業で行っているリサイクルプラスチックの純度検査の作業効率の向上と高精度化に向けて、経済産業省平成23年度産業技術実用化開発事業費補助金を受け、国内有数の分析機器メーカーである島津製作所と共同で、リサイクルプラスチックの高精度識別技術を開発。これにより、純度検査の自動化による高速化と高精度化に貢献する。
特許は国内11件、海外3件を出願済み。
2012年12月21日