三菱樹脂 土壌侵食防止ブロックマット「ゴビマット水辺緑化型」を発売

2012年12月21日

ゴムタイムス社

 三菱樹脂は20日、河川の護岸浸食を防ぐコンクリートブロックマット「ゴビマット®」シリーズにおいて「ゴビマット® 水辺緑化型」を新たに開発し、21日に発売すると発表した。
 同製品は水田周辺などの小規模水路の水辺や水中を緑化することで、水生生物が生育しやすい環境を整えるもの。
 日本では稲作の生産性向上のための農地整備の中で、水路が土からコンクリートに変化してきたことによって、昔は水田周辺に数多く生息していたメダカやカエル、ドジョウなどの水生生物が生息しにくい環境に変わってしまい、メダカやカエルの一部は環境省の絶滅危惧種に指定されるなどの社会問題となりつつある。
 今回発売する土壌侵食防止ブロックマット「ゴビマット® 水辺緑化型」は、約20cm角の多数のコンクリートブロックと耐久性に優れるポリプロピレン製不織布のフィルターシートを一体化したブロックマット。ブロックマットの切欠き部に、水位変動への適応力が高い抽水植物のアシカキをランダムに植えることで、水田周辺などの小規模な水路の緑化を促し、水生生物の生育環境を整える。水路に生い茂る葉や茎、根、ブロックの隙間は、魚やエビ類、水中昆虫の隠れ家や産卵場所となる。また、コンクリート製排水溝(U字溝)の場合は土を掘り起し、排水溝の設置後に土で埋め立て固定をする必要があるが、同製品の場合は緩やかな水路に直接敷設し、水底と左右の側面(法面)の3面を杭で固定するのみで施工が完了するため、施工が簡易でかつ低コストで行える。
 なお、同製品を用いた水際と水中緑化における水生生物の生育状況の観察については、財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団および「ナマズのがっこう」会員の伊豆沼・内沼ナマズ・ドジョウ研究会の協力を得て2008年から継続しており、6月には、水路に植生したアシカキの根元にメダカの産卵を確認している。
 同社は同製品を自然環境との共生に取り組み農業やまちづくりを推進している地方自治体に対して、販売していく。今後も顧客のニーズに基づく環境負荷の低減に貢献する資材の開発に取り組み、三菱ケミカルホールディングスグループが提唱するKAITEKIの実現を目指していく方針。
 同製品は標準サイズが幅1600mm×長さ6000mm×厚み55mm、参考価格は7000円/㎡。施工方法はクレーン等重機による敷設。

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