新春TOPインタビュー 弘進ゴム

2013年01月09日

ゴムタイムス社

 化工品事業の基盤を強化  シューズ 新たなマーケットを開拓

 シューズ事業の安定成長、化工品事業の基盤強化を図る弘進ゴム。西井英正社長に今後の事業戦略について聞いた。

 ―12年を振り返って。
 西井社長 2013年5月期上期(12年6月~11月)業績は売上高60億2500万円、前年同期比97・7%の減収減益となった。シューズウェア部門は冬物の販売が順調に推移し、36億9300万円、同100・2%の横ばいとなった。化工品部門はシート部門ではEVAフィルムの受注がなくなったことに加え、ホ―ス部門では低圧用ホースでの建機需要の低迷、自動車のパワステホースの受注減により化工品全体の売上高は23億3200万円、同94・1%と落ち込んだ。 通期業績見通しは下期も引き続き厳しい見通しであり、シューズウェア部門は前年の4月、5月の震災復興需要分のマイナスが予想され、72億円、前期比96・8%、化工品も45億5000万円、同93・6%の減収を見込んでおり、総売上高は117億5000万円、同95・5%の減収減益を見込んでいる。

 ―13年の経営課題は。
 西井社長 当社はこれまで中期5ヵ年計画で「量と質の追求」を行ってきたが、この下期、来期以降については品質を含めた量と質の確保維持に努めていきたい。シューズウェア事業の基盤安定とさらなる成長、化工品事業は提案型商品の拡大で産業構造の変化、需要変動に強い事業体の確立を目指すことを方針に掲げて進んでいく。シューズ事業では安定供給を実現して欠品率を抑え、市場のニーズに十分対応することが出来、事業基盤の安定化に繋がってくるものと考えている。シューズウェア事業は営業部門の努力によりここまでなんとか前年実績を維持してきており、増えたボリュームをどのように確保していくかが課題でもある。一方の化工品事業では、欧州の経済後退で需要が冷え込み、さらには中国の過大な在庫のため、当社に対するEVAフィルムの注文が全くなくなった。シートの売上減をどうカバーするかが来期の課題でもあり、事業変革の重要性をますます強く認識している。新幹線高架の排水設備に使われ評価の高いWエレハントサクションホースなどの自社製品の拡大や土木関連製品での需要掘り起こしに注力していく。
 生産面ではシート部門の受注減に伴い亘工場の稼働が落ちているが、人員の配置転換などにより量が落ちても維持できるフレキシブルな対応を図っている。現在、当社は亘工場でゴム長靴、樹脂ホース、シート類を生産、北陸工場で厨房用シューズ、産業用ゴムホースを生産している。

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