マイクロTAS事業を積極推進 DNA解析、生物工学市場に参入
中期経営計画で照明、医療、機能製品関連事業の拡大、海外事業の強化を図る朝日ラバー。ポテンシャルの高いマイクロTAS事業を推進する横山林吉社長に今後の事業戦略を聞いた。
―12年を振り返って。
横山社長 当社グループは、事業領域として自動車・情報通信・医療介護の各分野への経営資源の集中を図り、顧客の視点に立ったものづくりを進めるとともに、独自の開発製品の販売拡大に注力してきた。主にASA COLOR LEDを始めとした自動車関連製品は上期はエコカー補助金による自動車生産増や米国市場向け、中国向け輸出が堅調でまずまずであったが、採血用・薬液混注用ゴム栓などの医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーのスポーツ用ゴム製品は、ともに顧客の在庫調整による影響で受注減が続いた。前期非常に良かったスポーツ用ゴム製品、医療用ゴム製品は様々な経営合理化策を実施し原価低減を進め、収益性の高い事業となってきただけに、両事業の落ち込みの影響は大きく、増収増益とは言え、厳しい状況には変わりない。
通期業績見通しは自動車関連のASA COLOR LEDが下期はエコカー補助金の終了に加え、中国での不買運動の影響により中国向け輸出の減少が予想されることから通期では横ばいとみている。スポーツ用ゴム製品、医療用ゴム製品も販売減が続くとみており、通期では総売上高5%減、経常利益は半減するとの見通しである。
―2013年の見通しは。
横山社長 主力の自動車向けのASA COLOR LEDはこれまでの日系カーメーカー向けへ納入から欧州メーカーへの採用も活発化しており、プラス要因であり、中国、アメリカへの輸出も拡大するとみている。スポーツ用は一昨年ほどまでではないが需要は回復するとみており、グレードアップした卓球ラバーの新機種に対応した製品供給により前期比2~3割アップを見込んでいる。医療用ゴム製品ではは今期、第二福島工場に新しい機能を持った製品の新規設備投資(2億5000万円)をしており、2013年夏ごろには量産化に入るので、この分の純増が見込まれる。