中小労組の支援強化
雇用安定取り組みに注力
第8期の事業を展開するゴム連合。高齢者雇用対策や安全対策などを引き続き重点課題に取り組むが、瀬尾進中央執行委員長に具体的な事業の取り組みおよび来春の生活改善取り組みの事業方針などを聞いた。
―12年を振り返ってのご感想は。
瀬尾委員長 東日本大震災以降、日本全体が復興・再生に向けて努力がされ、国内景気が閉塞感の状態だったが、電機や基幹産業と比べるとゴム産業は恵まれている産業だったと思う。働く側の立場では社会不安が一層増している状況にある。働き頭とされていた中間層の働き手が徐々に職を失いつつあり、働いて安定した生計を立てていく職場が狭まってきてきるように思われる。従来は、業種間でも良い所、悪い所があっても業種間で好調な産業が雇用を吸収してきた時代からすると、不安定、不安な雇用実態に急速に進んでいるよう思われる。
ゴム産業においては、空洞化が懸念されているが、何とか非正規社員や契約社員の構成で持ちこたえているのではないか。しかし、今後国内でも従来から保有する生産設備が過剰になったり、多くの事業所を持つ企業は効率化も含めて拠点の統廃合を行い、選択と集中を進めざるを得ない状況にある。
労働組合組織に目を向けると、グローバル化では世界的な労働者組織として、ゴム連合は国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)に所属加盟していた。昨年6月に国際金属労協(IMF)および国際繊維被服皮革労組同盟(ITGLWF)の3つが組織統合を目指し一緒になった。
統一的な名称は「インダストリーオール・グローバルユニオン」で、約5000万人組織を結成し、世界中で産業労働者の共通の利益を代表するとともに、グローバルな連帯の新時代を開き、全労働者の生活向上、公正な賃金、労働条件の向上、多国籍企業問題、その他人権を遵守することを基本に活動が進められることになった。