カネカ 自動車内装用塩ビPSCの供試を開始

2013年01月17日

ゴムタイムス社

 カネカは16日、同社の連結子会社、龍田化学が自動車内装用塩化ビニル(塩ビ)パウダースラッシュコンパウンド(PSC)市場に参入すべく自動車メーカー、成形メーカーへの供試を開始したと発表した。
 現在、自動車内装用、特にインストルメントパネル(インパネ)パウダースラッシュは主にポリウレタン製が使用されている。そのシームレス構造から塩ビ製は耐久性能に課題があり、適応されないという経緯があった。近年、塩ビはポリウレタンと比較して軽量、コストメリットがあり、また、省石化原料樹脂である塩ビ製の性能が向上してきたことから自動車メーカーでの採用車種も増えてきている。
 インパネ用表皮材はエアーバッグを有効に展開させる構造を要求されるため、自動車内装用表皮材の中で最も高い品質が要求される。特に近年好まれているシームレス構造は、エアーバックが展開する時に表皮を突き破って飛び出すことから、その表皮が脆性破壊して破片が飛び散らないようにするため、更に厳しい要求品質となっている。
 今回、同社の保有する塩ビ樹脂技術とPSCに関するノウハウ、及び龍田化学が保有するインパネ用表皮材で培った配合技術を中心とした高機能化技術の融合を行うことで、耐熱特性と耐寒特性の両方が要求されるインパネ用表皮材向けに著しく改善した性能を持ったシームレスエアーバック対応のPSCの開発に成功した。
 今後の計画としては2013年10月からの本格生産開始を予定し、2年後7億円、5年後30億円の売り上げを目指す。
〈龍田化学の概要〉
▽所在地=東京都中央区
▽社長=長野武士氏
▽事業内容=塩化ビニル樹脂の成形加工および販売
▽資本金=3億万円(カネカ70・5%)

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