3月28日付で 中倉社長は代表取締役会長
東洋ゴム工業は24日、同日開催の定例取締役会において、代表取締役の交代について発表した。中倉健二代表取締役社長(64)は代表権のある代表取締役会長に就き、取締役専務執行役員タイヤ事業本部長の信木明氏(58)が代表取締役社長に内定した。
同日、ホテルグランヴィア大阪で緊急記者会見が行われた。
正式には3月28日開催予定の定時株主総会で選任され、総会後の取締役会議後に就任する予定。社長交代は技術面では低燃費タイヤのナノエナジーシリーズの発売、生産面ではグローバル製造体制の構築、構造改革ではビジネスユニット制の導入など、同社グループが生き延びることができるようにと描いたシナリオが動き始めており、能力を十分に蓄えてきた新しい世代に襷を託すタイミングであると判断。
交代の時期について中倉氏は、「元々長くやるつもりはなく、早く会社の方向性を示したいと考えていた。若い人たちが動き出して、進んでいく状態になったので、後方支援に回った方がいいと思った。夏頃に考えて、信木氏には10月末頃に告げ、了承を得た」と述べた。信木氏は、78年に入社して以降、若い時期に経理、財務、管理を経験した管理畑出身。海外駐在、事業部企画、営業統括など、会社中枢部門を経て本社企画本部長となり、現在は主幹事業であるタイヤ事業の本部長。
主たる実績には、国内タイヤ販社の一社化、中期経営計画の策定、株式会社ブリヂストンとの提携プロジェクト、マレーシアSilverstone社のM&A、中国でのタイヤ工場新設プロジェクトなどがある。
就任後は信木氏が企画部長時代にまとめた「ビジョン20」、そのマイルストーンとして、連結で売上高4000億円、営業利益300億円、営業利益率7・5%を目標値として掲げた「中計11」を確実に達成することはもちろん、ビジョン20への足がかりとなる連結売上高5000億円を早期に実現することを視野に入れ、経営強化を推進していく。次の経営課題である営業改革について信木氏は「営業マンの質をいかに上げていくか。市場をよく知るスペシャリストを育成していく。商品の戦闘力もあげていく。営業力をトータルで築いていきたい」と抱負を語った。
信木明氏(のぶき・あきら)78年に入社。趣味はプロ野球観戦(広島東洋カープフアン)、妻との宝塚歌劇観劇。家族は妻との二人家族。座右の銘は積中不敗。