金属微粒子技術ベースに開発
三ツ星ベルト㈱(垣内一社長)が開発した「銅導体ペースト」が2014年打上げの人工衛星の通信機器用銅充填導通基板として搭載が決定した。
同社では電子材料向けの新規開発製品として10年前から研究開発を進めていたもので、過酷な信頼性試験をクリアし、カーナビなどの電子機器を保護する静電気対策部品、人口衛星に搭載する通信機器に採用されたことで、神戸本社・研究開発本部のパイロットプラントで生産を開始、本格納入を開始した。
この銅導体ペースト「CUX®ーR」シリーズは、電極や配線材料としてセラミックス基材に使用される銅ペーストの用途拡大に対応、同社の金属微粒子技術をベースに開発された高温焼成タイプの銅導体ペースト。
アルミナ基板は勿論のこと、従来のペーストでは接着困難とされていた窒化アルミ基板に対しても高い密着力及び信頼性が得られるのが特長。鉛、カドミウムなどの有害物質は一切使用しておらず、
焼成導電膜はメッキ処理を施しても良好な密着力を保持する。表面メタライズ用途、ビア充填用途など豊富なラインナップを揃えている。
現在、通信機器用銅充填導通基板と静電気対策部品用ペーストの2種を商品化しており、通信機用製品は環境信頼性が高く、小型化、優れた導電性、放熱性を有する。人工衛星、携帯電話などの無線通信機器、光通信などの有線通信機器等での拡販を図っていく。
また、静電気対策部品用ペーストは短納期対応、低コスト化が図られており、主な用途は冷熱モジュール、電力制御モジュール、LED、回路基板、積層コンデンサー、ハイブリッドICなどの電子部品の導電回路または電極形成等。