日本ゴム工業会 2013年の新ゴム消費予想量を発表

2013年02月04日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は第301回理事会において、2013年の新ゴム消費予想量を発表した。この予想は、主要製品(業種)別に検討された新ゴム消費予想量を基に、日本ゴム工業会が総合策定した。
 2012年のゴム工業での新ゴム消費量は、年初は震災からの復興需要、国内自動車生産の復旧によりプラス成長が見込まれていたが、欧州債務危機による世界経済への影響、国内では円高、エコカー補助金の終了もあり国内自動車生産が9月からマイナスとなったこと、尖閣諸島問題による日中関係の悪化などの影響を受けた。
 この結果、自動車タイヤの国内生産が5月以降マイナスとなったほか、自動車向けを中心に工業用品が8月以降マイナスとなり、全体では143万8700㌧、前年比2・5%減と3年ぶりに減少見込みとなっている。なお、過去最高だった2007年対比では85・7%の水準。
 2013年の新ゴム消費予想量については、12年見込み対比101・0%と1%の伸びを見込み145万3100㌧と策定された。
 主要製品別の新ゴム消費予想の内訳は次の通り。
 〈タイヤ類(120万1750㌧、前年比101・8%)〉
 ▽自動車タイヤ・チューブ
 新車用は国内自動車生産・販売がエコカー補助金制度の終了により減少すると見込まれるため、前年を下回ると予測した。
 市販用は、夏用タイヤが2011年の震災後の需要増の反動が続いて減少すると見込まれ、冬用タイヤは降雪は平年並みを見込むものの新車販売の減少によりマイナスとなり、全体では前年を下回ると予測した。輸出用は、前年の大幅減から増加に転じると予測。
 以上を総合して、2013年の自動車タイヤ・チューブの生産は、新ゴム量ベースで118万8210㌧、前年比101・8%と予想した。
 ▽更生タイヤ用練生地
 環境対応およびコスト面で更生タイヤの需要はあるが、台タイヤの不足により生産量は微増と見込まれ、新ゴム量ベースで9970㌧、前年比101・1%と予想した。
 〈工業用品類(23万4220㌧、前年比97・2%)
 ▽ゴムベルト
 主力のコンベヤベルトは、内需は主力ユーザーである鉄鋼需要の減少などにより前年比で微減と見込まれるが、一方で、輸出は円高、資源需要の不透明感はあるが、前半は資源国向けの需要が継続すると見込み、トータルで前年を上回ると予測した。
 伝動ベルトは復興需要や自動車向け需要が不確かで、輸出も中国向けの減少や円高などから先行き不透明感が強く、前年割れと予測した。
 以上を総合して、当年の生産は新ゴム量ベースで2万7780㌧、前年比100・9%と予想した。
 ▽ゴムホース
 高圧用ホースは引き続き中国、資源国向けの需要が低迷すると見込まれ、自動車用(新ゴム消費量ベースで70%)も国内自動車生産の減少から前年を下回ると予測した。
 以上により、当年のゴムホースの新ゴム消費量は3万5060㌧、前年比96・3%と予想した。
 ▽その他の工業用品
 国内自動車生産の減少、円高、中国問題などを背景に、防振ゴムが5・4%減、パッキン類が5・6%減、スポンジ製品の国内生産は横ばいと予測した。ゴムロールは、製鉄用は大手企業の統合の影響、製紙用で輸入紙の増加、印刷用ではデジタル化への移行の影響から2・2%減と予測した。ライニングは、震災からの回復を昨年は示したが、当年はその反動もあり7・0%減、防舷材は震災からの回復傾向にあるものの公共事業などの需要予測が難しく、生産の海外シフトの影響もあり、2ケタ減の13・0%減と予測した。一方で、ゴム板は1・0%ながら増加予測となった。
 以上を総合して、その他の工業用品での新ゴム消費量は17万1380㌧、前年比96・8%と予想した。
 〈その他製品類(1万7130㌧、前年比99・7%)〉
 ▽ゴム履物
 海外生産の人件費高騰や品質問題などから、国内生産の価値が高まると見込み、前年並みの1050㌧と予想した。
 ▽その他のゴム製品
 医療衛生用品が横横ばい推移、運動競技用品は米国市場の伸びによる輸出増の一方で、生産の海外シフトも進むことから1・4%減で若干の減少と予測した。ゴム手袋は使い捨て製品の需要増の傾向が続くと見込まれるが、ゴム引布は減少傾向にあり、全体では1万6080㌧、前年比0・3%減とされた。
 〈ゴム工業における天然ゴムと合成ゴムの消費割合〉
 2013年のゴム工業における新ゴム消費量のうち、天然ゴムと合成ゴムの消費内訳は、天然ゴムが74万2500㌧、前年見込み比101・6%、合成ゴムが71万600㌧、同100・4%の予想。天然ゴムの使用比率は51・1%となり、前年見込み比0・3ポイント増となる。

 

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