ゴム工業会理事会(資材関係報告) 資材価格ジリジリ上昇へ

2013年02月04日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は理事会において資関係事項の報告を事務局が行った。

 〈原油、ナフサ等の素原料の動向〉
 WTI、ドバイ原油並びにシンガポールナフサ価格について13年1月(22日までの平均)までの月間平均値の推移をみると、原油価格は6月下旬からイラン、シリアなどの中東リスクの再燃などから投機資金が流入しやすい環境となり、上昇したが、9月中旬以降は中国などの成長鈍化、世界経済の景気減速懸念から下落傾向となった。
 その後、WTIはメキシコ湾岸へのパイプラインの能力増強工事の完了、在庫の減少から12月以降、大幅に上昇を示し、さらに1月以降は中国の経済政策の実施による景気回復への期待、またアルジェリアでのガス生産設備へのテロなどを理由に上昇している。
 この結果、本年1月の月間平均値は、WTIが93・92㌦(前月比プラス5・67㌦)と2ヵ月連続の上昇、トバイ原油が107・34㌦(同プラス1・03㌦)と4ヵ月ぶりに上昇し、両者の差は11月の20・43㌦、12月の18・06㌦から1月は13・4㌦と縮小している。
 一方、ナフサ価格も原油価格に連れて上昇しているが、国産ナフサ価格は、近く発表される12年10~12月は5万5500円前後と、再び上昇の見込みとなっており、更に1~3月は為替の円安傾向もあり6万円を上回る予想となっている。また、ブタジエンについても1月は若干だが上昇している。
 〈天然ゴム相場(東京相場・市中価格)の動向〉
 タイの減産期入りを控えているものの天然ゴムの需要環境に大きな変化はないと見られる中、為替の円安もあり東京相場主導で12月以降上昇しており、1月は当限が294・4円(前月比プラス36・6円)、先限は309・3円(同プラス30・8円)、市中取引相場が304円(同プラス30円)と上昇している。
 〈日銀企業物価指数の動向〉
 主要原材料についてみると、秋口以降上昇傾向にあるが、さらに1~3月のナフサ価格上昇を理由としてポリエチレン、塩ビ、トルエンなどの石化製品で、更なる価格改定の動きが出ており、一部の合成ゴムについても価格改定の発表が行われ、原材料については引き続き厳しい状況となっている。

 

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