日本ゴム工業会・資材委員会報告
〈原油、ナフサ等の素原料の動向〉
WTI、ドバイ原油並びにシンガポールナフサ価格について13年1月(22日までの平均)までの月間平均値の推移をみると、原油価格は6月下旬からイラン、シリアなどの中東リスクの再燃などから投機資金が流入しやすい環境となり、上昇したが、9月中旬以降は中国などの成長鈍化、世界経済の景気減速懸念から下落傾向となった。
その後、WTIはメキシコ湾岸へのパイプラインの能力増強工事の完了、在庫の減少から12月以降、大幅に上昇を示し、さらに1月以降は中国の経済政策の実施による景気回復への期待、またアルジェリアでのガス生産設備へのテロなどを理由に上昇している。
この結果、本年1月の月間平均値は、WTIが93・92㌦(前月比プラス5・67㌦)と2ヵ月連続の上昇、トバイ原油が107・34㌦(同プラス1・03㌦)と4ヵ月ぶりに上昇し、両者の差は11月の20・43㌦、12月の18・06㌦から1月は13・4㌦と縮小している。
一方、ナフサ価格も原油価格に連れて上昇しているが、国産ナフサ価格は、近く発表される12年10~12月は5万5500円前後と、再び上昇の見込みとなっており、更に1~3月は為替の円安傾向もあり6万円を上回る予想となっている。また、ブタジエンについても1月は若干だが上昇している。