バンドー化学の2013年3月期第3四半期連結決算は、売上高が645億7900万円、前年同期比1・4%減となった。営業利益は30億800万円、同8・5%減、経常利益は34億3100万円、同9・3%増、四半期純利益は19億1900万円、同351・8%増となった。
同社グループを取り巻く経営環境については、世界経済の減速や、中国における日本車を含む日本製品の買い控えに加え、新規の設備投資の抑制や交換需要の低迷など、極めて厳しい状況で推移した。このような経営環境のもと、国内外市場での販売拡大やコスト競争力の強化に注力するとともに、需要変動に応じて機敏かつ柔軟に各種の施策を鋭意展開した。
〈伝動事業〉
自動車用伝動製品は、補機駆動用伝動ベルトについては北米、東アジアで販売が拡大したが、国内の販売は前年同期に比べ減少。補機駆動用伝動システム製品については前年度にタイの洪水の影響で減少していたオートテンショナ、一方向クラッチ内蔵プーリ(バンドー・スムース・カップラー)などの販売は東南アジア向け輸出で拡大し、前年同期に比べ増加した。一般産業用伝動ベルト製品は、産業機械用Vベルトについてはアジア市場においては前年同期水準だったが、国内、北米および欧州での販売が前年同期に比べ減少した。この結果、売上高は412億3800万円、同1・7%増、セグメント利益は25億5600万円、同12・6%減となった。
〈マルチメディアパーツ事業〉
欧州経済の低迷が長期化している影響を受け、電子写真出力機器メーカーの生産が落ち込み、クリーニングブレード、精密ベルト等の販売が前年同期に比べ大幅に減少した。この結果、売上高は60億5100万円、同13・0%減、セグメント損失は1億3200万円となった。
〈産業資材事業〉
主力製品であるコンベヤベルト、樹脂コンベヤベルト(サンラインベルト)の販売が前年同期に比べ増加。特に、国内において同社の特長製品である急傾斜用コンベヤベルトの販売が大幅に増加した。鉄道軌道製品などの販売は大幅に減少。この結果、売上高は130億2800万円、同2・1%減、セグメント利益は6億8600万円、同130・6%増となった。
〈化成品事業〉
装飾表示用フイルムは前年同期水準だったが、合皮をはじめとする工業用フイルムの販売は前年同期に比べ大幅に減少。また、医療関連では、顧客の生産が減少した影響を受け、医療用フイルムの販売が前年同期に比べ大幅に減少した。この結果、売上高は34億1200万円、同8・2%減、セグメント利益は1200万円、同88・9%減となった。
〈その他事業〉
金属ナノ粒子の製造・販売などの新規事業のほか、ロボット関連デバイス事業やゴルフ場の経営などの売上高は11億2300万円、同26・1%減、セグメント利益は8300万円同38・1%減となった。
通期連結業績予想は、長期化する欧州経済低迷の影響、中国における自動車メーカーの一時的な減産やOA機器メーカーの更なる減産の影響、不透明な経済状況に伴う設備投資抑制による国内機械設備メーカーの減産などの影響から、前回公表した予想を下回る見込み。売上高は845億円、前期比2・2%減、営業利益は39億円、同14・7%減、経常利益は42億円、同4・4%減、当期純利益は19億円、同31・9%増を見込んでいる。