日本ゼオン 「アクリルゴム」事業を強化 トウペを子会社化

2013年02月06日

ゴムタイムス社

  日本ゼオンは6日、特殊ゴム「アクリルゴム」で競合する株式会社トウペの発行済普通株式の全て(トウペ社が所有する自己株式を除く)を取得することを目的として公開買付けを行うと発表した。
 買付け期間は平成25年2月7日から同年3月21日。買付け価格は普通株式1株につき金125円。買付け予定の株券数は3083万9685株、買付け資金は約38億5500万円の予定。買付け資金の調達方法は全額自己資金で賄う予定。
 日本ゼオンは同社のエラストマー素材事業とトウペ社の化成品事業で競合するアクリルゴム製品を効率的に供給することで、今後旺盛なアクリルゴムの需要に応えることができるものと判断し、トウペ社の完全子会社化をめざし、公開買い付けの実施に至った。完全子会社化により、原材料の調達、製造、需要家の顧客への製商品提供等及びロジスティック分野等において、両社が保有する経営資源を相互に有効的に活用することが可能となる。また、製品供給の効率化を行う一方、同社及びトウペ社がそれぞれ国内に1か所ずつ有している生産拠点(ゼオンは神奈川県川崎市、トウペ社は岡山県倉敷市)を併存させることにより、今後旺盛な需要が見込まれる特殊ゴムにおいて、需要家の生産数量増産要請に応え、かつ、自動車重要保安部品として多く採用される特殊ゴムの安定供給、BCP(事業継続計画)の要請にも応えることができるとしている。
 トウペ社の公開買い付けを発表した南忠幸取締役常務執行役員は「自動車のエンジン回りに使用される油に強く、熱に強いアクリルゴムはこれまで競合状態にあったが、グループ化により生産・開発拠点を一体運営し、特殊合成ゴム事業の厚みを増していきたい。完全子会社化によるシナジー効果については経常利益で3億8千万円程の利益の上積みが見込まれる」と述べた。

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