2012年年間のゴムベルト生産実績 輸出のコンベヤベルトが3割増

2013年02月18日

ゴムタイムス社

 2012年年間のゴムベルト生産実績は昨年に引き続き3万トンの大台に達し、3万763トンと前年比横ばいとなった。
 日本ベルト工業会がこのほど発表した2012年のゴムベルト生産実績によると、内需は東日本大震災以後、期待された復興需要はガレキ処理が一段落ついたものの、次のインフラ関係の需要が規制等で思ったように振るわず、建設機械、工作機械、鉄鋼・セメント等各業態の内需喚起には結び付かなかった。また自動車向けもエコカー補助金の終了で停滞気味となり、欧州金融危機に影響された設備投資の減少により各種製造装置向け需要が低迷した。その結果、前年比88%の1万19132トンだった。一方、輸出は旺盛な資源国向けの輸出需要に支えられ、前年比125%の1万1631トンと輸出の伸長が大きく寄与した。輸出が1万トンを超えるのは27年ぶりとなった。
 品種別では主力のコンベヤベルトは、内需は震災復興需要が期待された程伸びず、前年比94%の9125トン。輸出はコンベヤベルトの活発な資源国需要に支えられ、前年比131%の9663トンと大幅増となり、コンベヤ合計では前年比110%、1万8789トンと1万8000トンの大台を達した。
 一方、伝動ベルトは自動車向け補修用の減少、半導体製造装置やOA機器向けの落込み、輸入品増等により、内需は同85%の1万0007トン、輸出はV・ファンベルトの増加に支えられ、同104%の1968トンとなり、この結果、伝動ベルト合計では同88%の1万1975トンの前年に比べ減少した。
 伝動ベルトのうち歯付ベルトは内外需合計で同85%の2127トン、V・ファンベルトも同88%と落ち込み、さらに一般産業用向けその他ベルトも内外需合計95%と昨年から減少に転じた。
 樹脂ベルトは主要需要先の食品・食品機械の底堅い需要があるものの、標準化の推進や在庫品の出荷等在庫削減策を行った結果、生産量は落ちこみ、内需に輸出を加えた全体では前年比92%の99万4436㎡と3年ぶりに100万㎡割れとなった。出荷金額は販売競争激化による市況軟化もあり、前年比横ばいの113億1461万円となった。
 樹脂ベルトを素材別にみるとPVCベルトは同102%の17万6556㎡、ポリウレタンが同95%の68万3405㎡、環境対応素材であるオレフィンベルトなどのそ他素材が同70%の13万4475㎡となった。

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