住友ゴム工業は14日、12年12月期連結決算を発表した。主力のタイヤ事業において海外需要の増大に対応した増産投資の効果や原材料価格並びに価格改善などが収益増に貢献し、経常利益は過去最高を更新する増収増益を達成した。
12月期の連結業績は、売上高7102億4600万円、前期比4・9%増、営業利益は697億2200万円、同29・3%増、経常利益は673億5100万円、同34・9%増の増収増益となった。当期純利益は354億5100万円で同24・9%増。
経常段階における増減要因は、原材料価格がプラス材料となった。石油系材料は43億円の減益となったが、天然ゴムが210億円、その他17億円がプラスに働き、差引き184億円のプラスとなった。値上げ効果による価格改善は118億円が増益となり、直接原価(6億円)、スポーツ(8億円)、産業品他(7億円)なども増益に寄与、数量・構成(31億円)や固定費増(28億円)、その他(88億円)などの減益要因をカバー、経常利益は174億円の増額となった。
タイヤ事業の売上
高は6193億6100万円、同4・8%増、営業利益は630億8900万円、同29・2%増となった。スポーツ事業の売上高は613億4500万円、同5・1%増、営業利益は44億6400万円、同22・7%増となった。産業品他の売上高は295億3900万円、同7・4%増、営業利益は21億3900万円、同46・5%増となり、各セグメントで増収増益となった。
業績概況を説明した池田育嗣社長は「最高益を達成できたことをうれしく思う。事業部門の横のつながりが弱いことが弱点だと認識しているが、少しずつ改善されてきている」などと分析。さらに、2020年度を目指した中期計画の進捗状況について触れ「経済環境が大きく変わりつつあるが、15年度の定量目標値は変更せず、13年度からの3ヵ年の中計をやり遂げたい。世界のタイヤマーケットは新興国を中心に大きく伸びていくことが予想され、地産地消の考えでグローバルにタイヤ生産拠点の整備拡大を進めていく」などと語った。生産拠点に関して、池田社長は「ブラジル工場、トルコ工場に次ぐ新たな拠点を13年度中に決定したい」と明言した。
次期の業績予想は、売上高は7%の増収、営業利益は4%台、経常利益は2%台の増益を見込んでいる。