日本ゴム工業会が経産省統計に基づきまとめた12年1~12月累計ゴム製品生産実績によるとゴム製品生産(新ゴム量)は前年比96・2%の141万4948トンとなった。ゴム製品出荷金額は2兆3126億1000万円、前年比100・6%の横ばいにとどまった。
ゴム製品の品種別生産実績をみると、一般ゴム製品ではゴムベルトが同101・6%、ゴムホース同102.5%、工業品が同103・7%と堅調な伸びを見せたが、主力の自動車タイヤが114万5774トン、前年比94・6%と前年実績を下回ったためゴム製品全体ではマイナスとなった。
12年のゴム製品生産は5月に入り自動車タイヤはじめゴム製品全体でもマイナスに転じ、以降、自動車タイヤ及びゴム製品全体で八8ヵ月連続でマイナスとなった。自動車タイヤ以外の非タイヤについては、自動車タイヤと比べて前年実績を上回る状態が続いていたが、8月に0・9%のマイナスに転じた後、5カ月連続で前年実績を下回っており、なかでもゴムホースは8月以降、マイナスに転じ、9月以降は2ケタ減となった。ゴムホースを品目別にみると、9月以降、自動車用ホース、高圧ホース、その他ホースが揃って前年実績を下回り、自動車用、高圧用ホースは2ケタ減が続いた。
工業用品も同様に8月にマイナスに転じた後、9月以降は主要製品での前年割れが続く結果となったが、防振ゴム(同104・4)、スポンジ製品(同116・9%)の伸びに支えられ、前年実績を上回った。その中で防舷材は9月から4カ月連続でプラスとなった。
ゴム業界全体では夏以降、エコカー補助金制度の終了や同制度が終盤盛り上がりに欠けたこと、中国の景気低迷、日中の関係悪化、欧州の債務問題などマイナス要因が重なった。
一方、ゴム製品の1~12月累計出荷金額は、ゴム底布靴、ゴムベルトが前年実績を下回ったほか、自動車タイヤ、ゴムホース、工業用品、運動用品のプラス品目でもその幅が縮小し、全体では前年比100・6%の2兆3126億1000万円の横ばいにとどまった。
主力の自動車タイヤは値上げ浸透が寄与し、生産が大きく落ち込んだものの、前年比99・1%、1兆2625億8800万円のほぼ横ばいにとどまった。
財務省貿易統計に基づくゴム製品の年間輸出金額(円ベース)は、ゴム製品全体では2012年5月まで13か月連続で前年実績を上回っていたが、6月以降7カ月連続で前年実績を下回り、前年比98・3%、9476億7000万円とマイナスとなった。輸出出荷比率は41%となった。
製品別では自動車タイヤも7カ月連続でマイナスとなり、前年比98・1%、6367億7100万円となったが、建設産業車両用タイヤは2ケタ増が続いている。また、ガスケット、ゴムホースなどの金額の大きい製品についても9月以降、前年実績を下回り、ゴムベルトは11月にマイナスに転じたものの、10月までは3カ月連続でプラスとなっていた。
主要輸出先の伸び率をみると、尖閣諸島問題で反日デモがあった9月を境に中国向けは大きく落ち込み、さらにEU向けは9月以降前年比65%程度に落ち込んだ。アセアン、大洋州向けは8月までは2ケタ増と9月以降も堅調な伸びを維持した。