積水化学 タイに塩素化塩ビ樹脂で合弁会社

2013年02月26日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は21日、ルーブリゾール社(本社:米オハイオ州)と、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂の生産合弁会社をタイに設立することで合意したと発表した。
 会見では高機能プラスチックスカンパニーの松永隆善プレジデントが、高機能プラスチックスカンパニーの概要を説明した後、機能樹脂事業部長の紺野敏雄氏が合弁会社について説明した。
 設立は各国の関係当局の承認後の13年後半。出資比率は積水51%、ルーブリゾール社49%。投資額は5千万ドル。14年末に年産3万トンの生産設備を、需要地に近接し、FTAの恩恵も受けられるタイ・ラヨーン県に建設する。 工場のオペレーションは積水化学が行い、同社の製造工程を採用する。
 同敷地内で需要に合わせ6万トン程度までの増設も予定している。
 アジアにおけるCPVC樹脂生産能力増強の必要性が両社に共通であることに加え、投資リスク軽減の観点でも一致したため、合弁会社設立に至った。
 「原料を一緒に作ることにより、安定的に供給できることが最大のメリット」(紺野敏雄氏)
 コンパウンドについては、両社が生産合弁会社からCPVC樹脂を同量引き取り、独自で販売する。  積水化学では、工場近くにコンパウンド生産拠点を新設する予定。
CPVCは塩ビ樹脂を塩素化して耐熱性を向上させた特殊樹脂で、市場規模は500億円。用途の90%以上が耐熱配管材料が占める。そのうち約77%が給湯用配管となり、新興国での需要拡大が見込まれている。
 耐腐食性に優れ、軽量で接着剤が使用できるため施工性がよく、耐薬品性にも優れ、金属に比べ安価―などの特性がある。
 近年、インドを中心とする南アジアやASEAN、中東などにおいて、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材の、金属系からCPVC製への代替が進んでおり、同社では拡大する新興国需要を取り組んでいく方針。

 

機能樹脂事業部長の紺野敏雄氏

機能樹脂事業部長の紺野敏雄氏

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