上場24社の第3四半期連結 合計では増収増益に

2013年03月04日

ゴムタイムス社

 主要上場ゴム企業の3月期第3四半期連結決算が出揃った。合成ゴム2社(JSR、日本ゼオン)を含む24社の業績は、自動車部品を中心に上期は順調に推移し、売上高および各収益の合計額は同一企業対比で前年同期を上回り、増収増益となった。しかしながら、下期以降は市場が急速に悪化、中国市場の低迷も加わり、通期の業績予想は下方修正した企業も多く、売上高、収益ともに大幅に悪化し、24社合計では減収減益となっている。
 24社合計の連結売上高は2兆291億100万円、前年同期比7・8%増、営業利益は1265億6000万円、同3・1%増、経常利益は1423億5200万円、同9・9%増の増収増益となり、当期純利益は890億7200万円、同22・4%増となった。
 個別に業績をみると「増収増益」企業が7社(29%)、「増収減益」企業は6社(25%)、「減収増益」企業は4社(17%)、「減収減益」企業は7社(29%)となり、増収企業は13社(54%)、増益企業は11社(46%)となった。
 増収企業のうち、高い伸びを達成した企業は豊田合成(28%増)、西川ゴム工業(16・4%増)の2社が2ケタ増収、経常利益の伸びではアキレスが55・6%増、日東化工は黒字回復した。
 東日本大震災の復興からゴム製品生産が回復、国内自動車生産も昨年年初より順調に増加し、新車販売もエコカー減税の補助金制度により好調を持続した。これらにより、9月中間期はバラつきがみられたものの総じて好調な業績となったが、欧州経済の低迷が長引き、世界経済に影響し、領土問題を契機に日中関係の悪化もあり、夏以降、需要は大幅に低下し、10―12月期は一転して厳しい市場環境となった。こうした環境変化から、通期の連結業績予想を下方修正する企業が相次いだ。
 通期の連結業績予想については、24社合計で売上高は2兆7368億9000万円、前期比5・6%減、営業利益1631億6700万円、同10・7%減、経常利益1759億3000万円、同10・6%減、当期純利益1077億円、同2・6%減と減収減益となっている。個別業績では「増収増益」企業が6社、「増収減益」は9社、「減収減益」が9社。
 企業を取り巻く環境は短期間に変動する傾向にあり、企業は事業環境の急激な変動に直面しても安定した業績を維持できる強い体質がステークホルダーから求められている。

 

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