宇部興産は1日、フジサンケイグループが主催する「第22回地球環境大賞」において、「日本経済団体連合会会長賞」を受賞したと発表した。「調色樹脂リサイクル技術による再生プラスチックの有効利用」が高く評価された。同社としては、第15回のフジサンケイグループ賞に続く2回目の受賞となる。
地球環境大賞は1992年、「産業の発展と地球環境との共生」をめざし、産業界を対象とする顕彰制度として、世界自然保護基金(WWFジャパン)の特別協力を得て創設された。持続可能な社会の実現に寄与する技術・製品開発、環境保全活動・事業の促進と21世紀の社会システムの探求、地球環境保全に対する意識の一段の向上を目的としている。
原油価格の高騰、廃棄物処分場の逼迫や温室効果ガスによる地球温暖化など、環境に関する課題が山積している現代においては、国内の廃プラスチック処理についても、リサイクルされずに焼却処分や埋め立て処理されるケースが多く、環境への影響が懸念されている。また、新しく生産される材料の大量消費は、限りある資源の枯渇にもつながっている。
同社では、プラスチックの中でも家電や自動車向けに多く使われているポリプロピレンの廃材を、黒色に限らず様々な色に再着色するだけでなく微細な異物を見えにくくする独自技術と、材料の配合設計により、新品のポリプロピレンと同等の物性を発揮する技術「リサイクルコンパウンド」を世界に先駆けて開発した。 この同社独自の技術により、今まで再利用されていなかった同素材を、顧客の用途・製品の要求特性に合わせて提供し、洗濯機・冷蔵庫など家電の部材や自動車の内外装材に再利用することが可能になった。今では、大手家電・自動車メーカーの再生材使用率アップに併せ、同社の「リサイクルコンパウンド」(製品名:UBE-コンポジット)の採用が相次いでいる。
授賞式は4月22日に明治記念館にて行われる予定。同社は、これからも「リサイクルコンパウンド」をはじめとする環境貢献型事業の拡大を図り、循環型社会及び低炭素社会構築への貢献を更に推進していくとしている。
2013年03月04日