合成ゴム工業会 2012年の生産・出荷実績

2013年03月05日

ゴムタイムス社

 総出荷は前年比微増に SBR、EP輸出は2桁増

 合成ゴム工業会はこのほど2012年年間の合成ゴム生産・出荷実績をまとめた。
 2012年の合成ゴム需要環境は自動車タイヤを中心とするゴム業界全体では12年夏以降、エコカー補助金制度の終了や同制度が終盤盛り上がりに欠けたこと、中国の景気低迷、日中の関係悪化、欧州の債務問題などマイナス要因が重なった。
 こうした需要環境の中、合成ゴム生産量は162万7336トン、前年比100・7%の横ばい、出荷数量も前年比101・9%、147万9744トンと生産数量とほぼ同様の伸び率となった。
 出荷販売金額は一部価格是正も含まれ、前年比104%、5902億800万円と出荷数量実績の伸びを上回った。
 出荷数量を品目別にみると、汎用のSBRソリッドは前年比108・3%、46万2460トンと低燃費タイヤ向けのS―SBRの需要拡大が寄与し好調に推移した。BRは生産数量が前年比105・7%、出荷数量が同104%と堅調な伸びが続いており、フル生産が続いている。
 自動車用ゴム部品が主体のNBRは国内自動車生産の夏場以降のトーンダウンで前年比98・7%、10万6923トンと前年実績を下回った。
 自動車用ゴム部品はじめTPV化需要が拡大しているEPDMは生産が同110・7%、出荷も同105・2%と堅調に推移した。
 また、輸出比率の高いCRは国内では自動車生産減、輸出の減少で前年比97・6%と落ち込んだ。
 一方、財務省統計に基づく2012年年間の合成ゴム輸出実績によると、前年比105・7%、2360億9500万円となった。品目別では主力のSBRがアジア地域での自動車タイヤ生産の活況により604億9300万円、同126%と大きく伸びた。
 SBRに次いで大きな伸びを示したのはEPDMで、輸出数量が同113・6%、出荷金額が同115・5%とともに2ケタの伸びとなった。
 一方、CRは中国景気の悪化、欧州向けの需要ダウンにより、前年比93・4%、322億9300万円と落ち込んだ。