東海ゴム工業は11日、ブラジルの自動車用ゴム部品メーカー、Produflex Minas Industria de Borrachas Ltda.(略称ProduflexMG社)を買収すると発表した。
同社が南米に自動車用防振ゴムの拠点を設けるのは初。
ブラジルをはじめとする南米の自動車市場は、経済成長に伴う旺盛な需要を背景に、急拡大しており、なかでも南米最大の人口を有するブラジルでの市場拡大はめざましく、日系や欧米系自動車メーカーが生産体制を強化している。こうした動きを受けて、同社も南米での現地生産を検討していた。
今回の買収は、まずは同社グループが南米での事業拡大を見据えた市場調査を行うための現地子会社、Tokai Rubber do Brasil Ltda.(仮称、略称TRI ブラジル)を設立し、その後、TRIブラジルが Produflex MG 社を買収することでProduflex MG 社を同社の間接子会社(孫会社)とする。
Produflex MG 社は自動車用防振ゴム事業を、ブラジルを中心に展開しており、ブラジルに進出している欧州自動車メーカーへの販路を有している。 同社は、Produflex MG社を傘下に置くことにより、日系自動車メーカーの現地生産拠点に対する安定した製品納入を実現できるほか、南米で高い市場シェア(占有率)を持つ欧州自動車メーカーへの参入も可能になるとしている。
同社グループの南米展開については、2013年2月に買収を完了したイタリアの自動車用ホースメーカー、Dytech―Dynamic Fluid Technologies S.p.A.もブラジルに生産拠点を所有している。また、自動車用防振ゴムについては、ドイツに本社を置き欧州を中心に事業を展開している、Anvis Group GmbH の買収を決めている。
今回の買収により、世界の主要な自動車市場への拠点配置が整うことになります。今後は、同社の高い製品開発力とこうした拠点網を組み合わせることで、お客様に高品質な製品を迅速に供給していく方針。
なお、持分譲渡契約は 2013年3月14日に締結する予定。本契約締結後、関係国への競争法上の手続き等、持分譲渡契約に定める条件が満たされることを条件として、ProduflexMG社の持分を譲り受ける。
TRIブラジルの概要
▽所在地=ブラジル連邦共和国ミナスジェライス州 マテウス・レメ市 ▽設立=2013年4月(予定)
▽資本金=49・9百万レアル(約24億円)
▽持分比率=東海ゴム工業株式会社90%、TRI USA,Inc10%▽代表者=未定
Produflex MG 社の概要
▽所在地=ブラジル連邦共和国 ミナスジェライス州 マテウス・レメ市
▽設立=1994年11月17日▽資本金=5・6百万レアル(約2億7千万円)
▽持分比率=Edgar Solano Marreiros85%、Expedito Marreiros Solano15%▽代表者=Edgar Solano Marreiros (President)▽従業員数=約430人(2012年)▽売上高3千1百万レアル(14億9千万円、2012年)