ドイツのランクセスは、2012年度第4四半期の業績(速報値)を発表した。需要の低迷という経済的基調にも関わらず、前年同期比での業績が大幅に向上したとしている。
2012年度の第4四半期の特別項目調整前EBITDAは、前年同期比37%増の2億3900万ユーロ(前年同期1億7400万ユーロ)を達成した。連結売上高は、21億2300万ユーロで前年同期から同水準に推移し、純利益は、5100万ユーロ(前年同期500万ユーロ)に大幅に増加した。1株あたり利益(EPS)は、0・62ユーロ(前年同期0・06ユーロ)に大きく増加した。
好業績を支えた主な要因は、厳格なコスト管理および実績ある柔軟な資産管理といった対策が挙げられる。さらに、比較対象の2011年度の第4四半期では、3500万ユーロの在庫評価損を計上したことも大幅な利益増の原因に挙げられる。
結果として、同社の2012年度通年の特別項目調整前EBITDAは、前年比7%増の12億2500万ユーロを達成し、同社の予測範囲内(前年比5%~10%増)に収まった。連結売上高は、前年比4%増の90億9400万ユーロとなり、純利益は、2%増の5億1400万ユーロとなった。1株あたり利益(EPS)は、前年比2%増の6・18ユーロ。
2012年度下半期以降の需要基調の低迷は、2013年度においても通常の季節的傾向に反してほとんどの事業分野で継続するものと見られている。この需要軟化に対処するために、同社では、実績ある柔軟な資産管理戦略を実行する。具体的には今後数週間のうちにベルギー拠点のブチルゴム製造プラントと米国テキサス拠点のEPDM製造プラントを一時的に閉鎖することを予定している。
しかし同社は世界経済が回復すると予想しており、それに伴い2013年度中には需要の増加を見込んでいる。その際、これまでの同社の有効な戦略的な位置づけにより、迅速に対応できると確信しているという。
こうして同社は、中期利益目標として掲げた特別項目調整前EBITDAの目標値(2014年度:14億ユーロ、2018年度:18億ユーロ)は達成できるとみている。
同社は、2013年3月21日にデュッセルドルフで開催される年次記者会見において2012年度通年の業績発表を行う予定。なお、今回公表の数値は、監査法人の監査報告書提出前速報値。
2013年03月12日