JSRは12日、同日開催の取締役会において、医学生物学研究所(以下MBL)との間で資本業務提携を行うと発表した。
同会ではMBLの実施する第三者割当増資を引き受けることを決議し、同日付でMBLとの間で資本業務提携契約を締結した。業務提携開始日は4月1日を予定している。
JSRは、メディカル材料事業を、中期計画「JSR20i3」において今後注力して育成する戦略事業の柱のひとつに位置づけている。MBLは、ライフサイエンス領域、とりわけ免疫学・分子生物学・細胞生物学の領域で研究用試薬の開発・販売や臨床検査薬分野において事業活動を進めてきた。近年では、免疫学的な検査に加えて遺伝子診断薬や病理・細胞診などの検査領域や、抗体医薬、細胞治療など癌や感染症治療の領域における活動を強化している。また、日本を中心に米国・中国でも事業を展開しており、今後、新規技術の取り込みを行いつつ、海外での事業展開をさらに強化・促進しようと計画している。そうしたMBLの事業計画は、同社の創薬支援試薬・診断薬事業と、目指す事業領域や地域及び事業推進の内容が概ね一致しており、両社の協業によりシナジー創出が見込めるものと判断し、同提携契約を締結したとしている。
同提携により、MBLが有する抗体・抗原・遺伝子関連技術や試薬開発の技術と同社のメディカル材料技術を融合し、JSRの創薬支援試薬・診断薬事業の取り組みを加速するとともに、両社の協業並びにMBLの事業の拡大を通じてライフサイエンス分野の発展に貢献していく考え。
資本提携の内容としては、JSRは、MBLが本第三者割当増資により新たに発行する普通株式870万4000株(増資後の発行済株式総数に対する割合:33・4%、所有議決権割合:33・7%)の全てを引き受ける。当社によるMBLの本第三者割当増資の引受株式数普通株式は870万4000株、払込金額1株につき517円、払込金額の総額44億9996万8000円、払込予定日は3月29日となっている。
業務提携の内容としては、JSR及びMBLは、Latex(ラテックス)粒子関連試薬開発、エピゲノム分野における創薬支援ツール開発、海外インフラの活用などについて業務提携の推進に合意している。具体的な方針及び内容については、今後両者の間で協議を行った上で決定する。
同提携に伴う本第三者割当増資引受けに伴い、MBL及び同社の連結子会社は、平成26年3月期の連結決算においてJSRの持分法適用関連会社となる予定。今回の提携が今期の同社業績に与える影響はないとしている。
2013年03月14日