人材育成が業界課題に グローバル化への対応進む
自動車部品メーカーの海外生産拡大から、ゴムコンパウンドの現地調達も進み、内需の空洞化が懸念されている。日本国内では、市場縮小に加えて加工メーカーの内製化がCMB需要の低迷要因にもなっている。東日本大震災から2年が経過したが、この間の市場動向やCMB業界の今後について、日本ゴム精練工業会の山本誠会長(ゼオンポリミクス社長)に話を聞いた。
―震災から2年が経過しましたが。
山本会長 震災直後は大変なことが起こり、有力ゴム薬品メーカーの工場被災もあって大混乱が生じた。緊急対応で顧客の承認をいただき代替品で凌いだ。しかし、材料供給面は比較的短期で収束し、回復に転じたことは記憶に新しい。
同年の秋にはタイで大洪水が発生し、一部の日系自動車メーカーおよび部品メーカーの工場も水没、生産がストップする事態が起こり、2011年は自然災害の脅威を実感させられた一年だった。
12年度の総会時に会員企業を対象に市場動向調査としてアンケートを実施したが、それによると日本ゴム精練工業会加盟メンバーの国内CM生産量は11年が約13万㌧という結果を得た。
昨年の需要水準については、前半はエコカー減税など補助金制度もあり国内自動車生産が順調に伸び、新車販売も好調に推移したが、後半になって欧州危機の長期化は世界経済の牽引役でもあった中国にも影響を与え、更には領土問題から日中関係が悪化、日本製品の不買運動など外的要因も加わり、日系企業の海外事業も大きく低迷した。
こうした環境から、CMの年間需要は11年対比で10%程度落ち込んだものと推測され、今年4月に開催する精練工業会の総会において実施する市場アンケート調査では、その結果に近い内容となることが見込まれる。