タイヤメーカーは本年度もモータースポーツ(MS)サポート活動に注力する。ブリヂストンが13年度のMS活動計画を発表したのに続き、横浜ゴムは競技用タイヤの開発・供給と活動全般を統括する新会社、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル㈱を設立、7月から本格活動を開始すると発表した。住友ゴムもサポート計画を発表、各社とも過酷なレース経験で培う技術を蓄積し、安全・燃費性など市販用タイヤの性能向上にもつなげていく考えだ。
横浜ゴムが全額出資した新会社は、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル㈱。本社は東京都港区、資本金は1000万円で、久世哲也取締役執行役員が社長に就任。今年7月から事業を開始する。
近年、同社は「ヨコハマ」をグローバルブランドに定着させるため、国内のスーパーGTシリーズやFIA世界ツーリングカー選手権をはじめ、欧州・北米・アジアで開催されるレースやラリーへのタイヤ供給を行っている。
MS活動は、レース条件に応じた競技用タイヤを企画・開発・設計する技術部門とレース主催者やチームとの交渉、契約、サーキットでのイベント開催、広報・宣伝活動などを担当する企画部門の2部門体制だった。今後、MS活動を強化するためには意思決定の迅速化が必要と判断、2つの部門を一体化し、新会社として独立させることにした。
新会社は、横浜ゴムからの委託で競技用タイヤの企画・開発・設計、レース主催者やチームとの交渉、契約代行、競技用タイヤの貸与などを行う。将来的には競技用タイヤ技術を応用した市販用タイヤの開発、情報開発効果の高い国内外のMS活動計画の提案など、専門性を生かした技術やノウハウの提供により、業務拡大を目指す。
ブリヂストンは3月下旬に本年度のMSサポート計画発表会を開催、同社タイヤを装着してスーパーGTに参戦する脇阪寿一選手と二輪ライダーの秋吉耕祐選手がゲストとして参加した。
同社は今シーズン、4輪カテゴリーではスーパーGTの500クラス、300クラスのほか、全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ、インディカー・シリーズなどにタイヤ供給する。2輪カテゴリーでは、ロードレース世界選手権シリーズモトGPクラスに単独タイヤサプライヤーとして供給するほか、全日本ロードレース選手権などに参戦する。
モータースポーツ担当の武濤雄一郎常務執行役員は「スーパーGTは2年連続で不本意な成績だったが、今年は本社・技術センターの体制を強化して頑張りたい」とコメント。
住友ゴムも国内で人気のスーパーGTをはじめ全日本ジムカーナ、全日本ダートトライアル、全日本ラリー選手権、全日本カート選手権など幅広いカテゴリーでタイヤ供給を行い、タイトル獲得を目指す。
2013年04月08日