日精樹脂　射出成形機をモデルチェンジ

　日精樹脂工業は24日、電気式射出成形機に並ぶ主力機種であるハイブリッド式射出成形機「ＰＮＸシリーズ」と「ＦＮＸシリーズ」のモデルチェンジを実施、５月１日から新たに「ＰＮＸ―Ⅲシリーズ」と「ＦＮＸ―Ⅲシリーズ」として販売を開始すると発表した。
　今回モデルチェンジしたハイブリッド式成形機は、「ＰＮＸ―Ⅲシリーズ」が型締力４０５ｋＮ（40トン）と６４１ｋＮ（60トン）の２機種、「ＦＮＸ―Ⅲシリーズ」が、型締力７９２ｋＮ（80トン）～４４６０ｋＮ（４６０トン）までの８機種の計10機種。標準本体価格は、消費税別で「ＰＮＸ40Ⅲ」（型締力４０５ｋＮ）の７３０万円から「ＦＮＸ４６０Ⅲ」（同４４６０ｋＮ）の２８２０万円まで。今回の10機種で年間約８００台の販売を見込んでいる。
　新ハイブリッド式成形機の主な特長は、高性能・高機能コントローラ「ＴＡＣＴⅣ」の搭載。画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化を図っている。同コントローラは既に電気式成形機「ＮＥＸ―Ⅲ」シリーズに搭載されており、顧客より成形条件出しの容易さと成形立上げの簡素化が図られるとして、高い評価を得ている。
　主な特長は、操作パネルはフラットシートとし、シートスイッチ方式を採用、画面は15インチＬＣＤの縦長配置で、上下に２画面を表示できるなど、視認性と操作性を大幅に向上、新機能の段取画面や設定器の説明表示機能などにより、金型取付から量産開始までの立上げ時間の短縮と、簡単・確実な操作を実現、など。
　その他、低圧型締性能に優れ、常に設定通りの型締力の伝達が可能な「直圧型締」機構と、回転数制御のハイブリッドポンプシステム「Ｘポンプ」を搭載。また、今回の両シリーズには、低圧成形システム「Ｎ―ＳＡＰＬＩ」（オプション装備）の90日間お試し版ソフトをプリインストールしている。同ソフトは「適正（低）型締力成形」を一歩進化させ、型締力設定を重要な成形条件の一つとして捉えて適正にコントロールすることに加え、射出時のピーク圧を低減させることで、複雑化した成形条件を簡素化して作業者の負担を軽減するとともに、成形機や金型の長寿命化、成形不良の低減を実現する低圧成形法。
　同社はこの新ハイブリッド式成形機の型締力40トンタイプ「ＰＮＸ４０Ⅲ」を５月29日から大阪で開催される「ＰＬＡＴＥＸ大阪２０１３」に出展し、初公開する予定。会場では、低圧成形システムを用い、ヒケなどの成形不良の解消をテーマに実演を行う。その他、電力料金の値上げへの対応策として、成形工場の省エネルギー化に向けた各種の提案を行う。

PNX40III-5A