帝人は4月25日、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRTP)をはじめとする先進複合材料の研究開発を推進している中核施設「複合材料開発センター」を、5月1日より松山事業所(愛媛県松山市)内に移転すると発表した。
「複合材料開発センター」は、2008年7月に静岡県御殿場市内に開設されて以来、自動車メーカーをはじめとする様々な顧客との「カスタマーラボ」として、先進複合材料に関わる素材・成形・加工・設計・接合などの研究開発を強力に推進してきた。一方、昨年12月には松山事業所内において、世界で初めて「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産する」パイロットプラントが稼働を開始し、CFRTPによるコンポジット製品の事業化に向けて大きく前進している。
同センターを松山に移転することにより、パイロットプラントを活用した成形加工技術の開発をはじめ、素材・設計・接合などの複合材料開発まで総合的かつこれまで以上のスピード感をもって、研究開発を推進することが可能となる。また、自動車メーカーとの用途開発のみならず、軽量化が求められる一般産業用途における量産コンポジット製品の研究開発も加速していく。
同社は、松山に移転した複合材料開発センターと、昨年4月に米国に開設した複合材料用途開発センターを有機的に連携させていくことで、今後急成長が予想される自動車用途および一般産業用途における市場開拓を強力に推進し、コンポジット製品事業を早期に本格展開することを目指す。2020年近傍には1500億円から2000億円の事業規模を目指し、炭素繊維・複合材料事業におけるリーディングカンパニーの地位を確立していくとしている。
2013年04月30日