代替燃料需要が旺盛 原形利用で更生タイヤ台用が2ケタ増
日本自動車タイヤ協会は4月22日、2012年の廃タイヤリサイクル状況をまとめた。
それによると、近年、廃タイヤは代替燃料としての需要が非常に旺盛で、製紙等の利用先では国内発生分だけでは必要量を満たすことが出来ないため、海外から廃タイヤの切断品・破砕品を有価購入することによって、不足分を補っている状況が続いている。リサイクル量は前年比で減少しているが、実際に未処理の廃タイヤが増加した訳ではなく、数量の把握が困難な他の方法(焼却処分、中古タイヤ・カットタイヤ以外の項目での海外輸出等)での処理量増加がリサイクル率低下の要因であると考えられる。12年のリサイクル利用量は合計で88万2000トン、リサイクル率は前年から3ポイント減の87%となった。
2012年の廃タイヤ発生量は、「タイヤ取替え時」「廃車時」を合計すると、本数で9400万本、重量で101万トンとなり、前年と比較すると本数では200万本増加、重量では1万2000トン増加した。
「タイヤ取替え時」の発生量は本数では8000万本と前年同数、重量では87万6000トンと前年より6000トン減少した。これは、トラック・バス用タイヤなど、製品重量の重い品種の販売が減少したことが重量減少の要因になったと考えられる。
一方、「廃車時」の廃タイヤ発生量は、本数では1500万本と前年に比べ300万本減少、重量では13万4000トンと1万7000トン減少した。これは、前年の震災による新車需要の落ち込みからの回復に加え、エコカー補助金制度によって廃車台数が増加した結果と考えられる。
リサイクル利用状況では原形加工利用の中の更生タイヤ台用が5万7000トン、前年比114%と2ケタの伸び、再生ゴム・ゴム粉向けは前年比94%と落ち込んだ。
また、廃タイヤの不法集積・不法投棄状況調査については、2013年2月時点において全国合計で不法集積が3万1831トン(72件)、不法投棄は4948トン(27件)の結果となり、不法集積は前年に比べて1838トンの減少、件数では23件減、不法投棄は60トン減少、件数では1件減となった。