横浜ゴムは東日本大震災の復興支援活動の一環として、岩手県上閉伊郡大槌町が復興計画のひとつに掲げた「いのちを守る森の防潮堤」づくりを支援するため、5月18日に同社主催で「平成の杜」植樹会を開催する。
同社は昨年4月30日に第1期としてモデルケースとなる同植樹会を同地で実施しており、2期目となる今年からはこのモデルケースの森が「平成の杜」と命名された。
同社は第1期植樹会後もこの地域に自生する広葉樹のどんぐり集めや町民との苗木づくり、稲ワラ集めなど2期目以降の植樹に向けて継続的な支援活動を行ってきた。今回の植樹では昨年、大槌町浄化センター敷地内に植樹した長さ50メートルの植樹マウンドの隣に、新たに長さ50メートルの植樹マウンドを建設し、その土地本来の常緑広葉樹の苗木およそ5千本を植樹する。
当日は碇川豊大槌町長や地域住民、協賛企業の方々をはじめ、元F1ドライバーの片山右京氏が参加する。同社からは南雲忠信会長兼CEO、野地彦旬社長と従業員が参加し、ボランティアで植樹指導と植樹を行う。
大槌町の「いのちを守る森の防潮堤」づくりは大きな特長として、植樹マウンドに震災によって発生した木質系がれきや土砂、コンクリート片などの土系不燃がれきを活用している。こうした震災がれきの利用は、がれき処理のコスト削減や焼却処理によるCO2発生を抑制できるだけでなく、苗木の発育促進にも効果がある。
同社グループは2007年から従業員が中心となって作る森づくり「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトを進めている。「いのちを守る森の防潮堤」は同プロジェクトの植樹指導を行う宮脇昭氏(植物生態学者/横浜国立大学名誉教授)が提唱しており、東北地方の太平洋沿岸およそ300キロメートルに津波の被害を軽減できる「本物の森」をつくることを計画している。また、宮脇氏は震災がれきを植樹マウンドとして有効利用することを提言している。