東海ゴム工業の2013年3月期連結決算は、売上高2637億2500万円、前期比4・6%増、営業利益は92億400万円、同28・2%減、経常利益は92億2600万円、同29・3%減、当期純利益は30億300万円、同50・7%減となった。
主要取引先の自動車業界は、景気が減速傾向にあるものの依然として底堅い需要の新興国や回復基調にある米国で販売が好調に推移したほか、国内でも政府の環境対応車普及策「エコカー補助金」の効果で自動車生産台数が前期を上回った。一方、昨秋までの円高による輸出コスト増大や中国市場での生産減少に伴うコスト増に加え、2015年ビジョン達成のための先行投資もあり、増収減益となった。
グローバルでの開発・製造・販売網を拡充するとともに、原材料調達や生産体制の見直しなどコスト削減活動を推進し、収益力の高い経営体質の構築に注力。グローバル事業運営については、今年2月に英国自動車用ホースメーカーを買収したほか、自動車用防振ゴム事業でもドイツ、ブラジルの2社の買収を決定しており、自動車用品は全世界への供給体制が整うことになる。
自動車用品は震災からの生産回復と「エコカー補助金」効果で自動車生産台数が前期実績を上回ったこと、アジアの新興国や米国で販売が堅調に推移したことから、売上高は2103億9900万円、同8・5%増、営業利益は中国市場での減産と生産性の悪化や2015年ビジョン達成に向けた先行投資のため70億8000万円、同21・8%減の増収減益となった。
一般産業用品は、中国での景気減速に伴う建設・土木工事の減少により建設機械・工作機械向け高圧ホースの販売が減少。プリンター向け機能部品など事務機器向け精密部品分野も欧州をはじめとする世界経済の低迷で高機能品を中心に伸び悩み、前期実績を下回った。以上の結果、同事業の売上高は633億3100万円、同6・7%減、営業利益は21億2400万円、同43・5%減の減収減益となった。