日本ゼオンは9日、2013年3月期連結決算説明会を開催、古河直純社長らが出席して概況を語った。同社の3月期連結業績は、売上高2507億6300万円、前期比4・6%減、営業利益236億9600万円、同26・2%減、経常利益252億1200万円、同19・9%減の減収減益となった。当期純利益は147億5000万円、同22・9%減となった。
営業利益段階における増減要因は、為替益(14億円)、コストダウン(23億円)が増益となったが、数量差(13億円)、価格差(10億円)、原料・原価(61億円)、本社費等(37億円)が減益に作用し、差引き84億円の減益となった。
エラストマー素材事業部門の売上高は1640億2800万円、同7・6%減、営業利益は195億9500万円、同35・0%減となった。合成ゴム関連は、後半にかけて国内自動車生産が前期比マイナスに転じたことに加え、タイヤの顧客需要が調整局面に入ったことなども影響し、国内販売は低調に推移。輸出は、期末にかけての拡販が奏功し、販売数量を伸ばしたが、海外子会社は世界経済減速に伴う需要低迷や海外市況の悪化の影響が大きく、米国子会社、英国子会社いずれも販売は低迷した。
高機能材料事業部門の売上高は514億1100万円、同6・8%増、営業利益は26億1300万円、同432・2%増と大幅な収益改善となった。
古河社長は、中期経営計画「SZ―20」の進捗状況について言及した。計画では20年度に連結売上高5000億円、海外生産高比率50%を目指すが、そのための施策としてエラストマー素材事業と高機能材料事業の強みを磨き、両輪でグローバルに事業を拡大させる。
「エラストマー事業ではアジアを中心に成長市場へのグローバルな対応による事業の更なる強化を図り、高機能材料事業では重点3事業での研究開発の加速による事業拡大を目指す」(古河社長)。
コスト競争力向上では、知的生産システムを導入し、運転の標準化や作業負荷低減などをトップダウンで推進、従来から進めているZΣ活動と合わせて強化を図る。
次期の連結業績は増収増益を見込んでいるが、エラストマー素材事業は売上高で11%増と2ケタ増収を計画している。
2013年05月13日