クラレ3月期連結 次期予想は売上高、収益とも最高へ

2013年05月13日

ゴムタイムス社

 クラレの2013年3月期連結決算は、売上高3694億3100万円、前期比0・1%増と小幅な増収となり、収益面は営業利益491億9700万円、同10・1%減、経常利益485億9000万円、同9・9%減の減益となった。当期純利益は287億9800万円で同8・5%減。
 12年度は光学用ポバールフィルムにおいて、薄膜化や広幅化など差別化を推進、モノソル社の買収によりポバールフィルム事業の拡大を図り、「ジェネスタ」では自動車用途の拡大や一般照明分野への展開を進めたほか、歯科材料では新潟拠点の稼動を開始させた。また「エバール」はアジア市場拡大を狙いにタイ現地法人を新設、液状ゴムの需要増大に対応して増設を決定、さらに、バラスト水管理システムの本格販売も開始した。
 決算説明を行った伊藤社長は「液状ゴムは需要が増大したが、TPEのセプトン並びにファインケミカルは欧州、アジアの需要が低調に推移した中で、競合激化の影響を受けた」などと語った。
 営業利益段階における増減要因は、販売数量増で30億円、原燃料価格の低下6億円がプラスに働いたが、操業度(15億円)、売値・銘柄構成(20億円)、為替差損(5億円)、償却費増(3億円)、経費その他(48億円)が減益となり、差引き55億円の減額となった。
 セグメント別では、樹脂事業の売上高が1552億円、同4・2%増、営業利益489億円、同2・0%減、化学品事業は売上高790億円、同5・5%増、営業利益64億円、同29・7%減、繊維事業は売上高572億円、同9・8%減、営業利益12億円、同8・2%増、トレーディング事業は売上高1088億円、同3・1%減、営業利益34億円、同4・8%減、その他事業は売上高644億円、同2・9%減、営業利益40億円、同29・3%減。
 13年度については技術革新、地域拡大、外部資源活用により、中期経営計画「GS―Ⅲ」の戦略に基づく施策を継続実施する。
 次期の業績予想は、売上高4300億円、営業利益600億円、経常利益585億円、当期純利益350億円を計画、売上高、利益ともに過去最高を目指す。

 

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー