東洋ゴム タイヤ、ダイバーテック事業で地域戦略を明確化

2013年05月13日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業の信木明社長は、新経営体制の方針説明会を開き、中長期経営計画を軸に、企業力を高める「成長基盤」と「経営基盤」において、推進部会を設置し、早期にビジョン20の足がかりとなる連結売上高5000億円を目指すを明言したが(本紙既報)、同会見には、タイヤ事業本部長の山本卓司取締役常務執行役員、ダイバーテック事業本部長の新庄治宏取締役執行役員も出席し、両事業の注力テーマを語った。
 タイヤ事業については山本卓司取締役常務執行役員が将来展望について語った。「環太平洋の世界3極生産体制の強化を図り、生産力、販売力、商品力を総合的にボトムアップすることが注力テーマになる」。
 ダイバーテック事業については新庄治宏取締役執行役員がグローバル展開への施策について述べた。「OA機器部品や自動車用防振ゴム、鉄道車両用部品など日本で評価されてきた品質、実績を成長事業であるアジアに展開、さらに収益構造強化を目的に事業再編を実施した」(同氏)。
 タイヤ事業は2015年度において10年度対比55%増の4500本の供給体制構築を目指す。エリア別では日本で2600万本、北米で650万本とする。アジアでは中国、マレーシアでの生産ライン増強を視野に入れ1250万本体制を構築する。
 ブランド戦略はトーヨー、ニットー、シルバーストーンの3つのブランドの特長、強みを発揮させる。市場においてそれぞれ戦略的に展開することでポテンシャルを網羅的に訴求し、事業推進の柱とする。
 ダイバーテック事業は、自動車部品事業、ウレタン事業、鉄道車両部品事業の3つの領域において、グローバルサプライヤーとしての地位確立、アセアン、中南米を見据え、最適なビジネス拡張を進め、事業のコア・リソースの価値を個々に高める施策を推進する。
 自動車部品事業では、次世代車に対応する環境性能に優れる防振部品の開発を進め、中国での需要増に応え、現地工場の能力拡大、新工場建設を進める。ウレタン事業では防熱・断熱分野で独自の技術開発を進める。鉄道車両部品は、環境負荷の低い輸送手段へのモーダルシフトに伴う需要増に対応し、早期拡大を目指す。

 

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