電気化学工業の2013年3月期連結決算は、売上高は3416億4500万円と、スチレンモノマー事業の再編による販売縮小の影響により、230億6600万円(6・3%)の減収となった。収益面では、営業利益は、高付加価値製品群の一部での販売低迷や原燃料高の影響により、188億1700万円、前期比9・2%減となり、売上高営業利益率は5・5%(0・2ポイント減少)となった。
主力のエラストマー・機能樹脂(有機系素材事業)の売上高は前期に比べ208億円減の1428億1900万円。
クロロプレンゴム(CR)がアジアや欧州地域の需要低迷により、販売数量が減収となったほか、スチレンモノマー事業再編で製造設備を二基から一基体制に移行したことから、販売数量が減少した。一方、ABS樹脂や透明樹脂および特殊樹脂「クリアレン」の販売は前年同期並み。
生活・環境プロダクツは関節機能改善剤、試薬の販売数量の増加やインフルエンザワクチンの順調な出荷により増収となった。
次期の業績見通しは堅調な内需と輸出比率90%のクロロプレンゴムの輸出採算改善、期後半の電子材料を中心とした主力製品需要の回復が期待され、「円安効果、原燃料アップ価格転嫁により上昇気流に乗る」(吉高紳介社長)とし、売上高3900億円、前期比14・2%増、営業利益250億円、同32・9%増、経常利益230億円、同29%増の大幅な増収増益を見込んでいる。
2013年05月13日