〈春季労使交渉の妥結状況について(中間報告)〉
平成25年の春季労使交渉は、ナショナルセンターである連合(日本労働組合総連合会)がすべての組合が取り組む課題(ミニマム運動課題)として、「賃金カーブ維持分の明示と確保」などを設定し、今年もベアの統一要求を見送っているが、賃上げ・労働条件の改善のために1%を目安に配分を求めていくとの闘争方針を掲げている。
一方、経団連側は、今次交渉では、企業の存続と従業員の雇用の維持・安定が最優先の議論になり、ベースアップを実施する余地はなく、賃金カーブの維持、定期昇給の実施の取り扱いが昨年以上の論点になるとの考えを示していた。また、2月には安倍首相が経済3団体に賃上げ要請を行う一幕もあり、こうした状況の中で労使交渉が展開された。
ゴム関係では、ゴム連合が「ゴム産業における業種、事業内容による収益格差が大きくなっている現況を踏まえ、連合方針にある1%配分には労働条件改善の統一的な設定ではなく、各労組の労働環境や企業の収益状況などを勘案して労働条件の向上に向けた取り組みとしていく」などを基本スタンスとし、2月末までに要求書を提出し、3月14~18日を集中解決ゾーンとして3月末までに解決を図るという日程を組んでいたが、日本ゴム工業会の情報交換参加会員(55社)における交渉状況をみると、3月中旬から4月上旬にかけて多くの企業で収束し、4月25日現在で約3分の2の企業が解決に至っている。
これら解決済みの企業のうち、集計可能な35社の妥結額の総平均は加重平均で5146円、改訂前賃金ベースで28万3664円に対するアップ率は1・81%で、同一企業における昨年の妥結実績(5042円、1・78%)と比べると金額で104円増、アップ率で0・03ポイント増と、中間ではあるが僅かに前年を上回る内容となっている。
業種別で見ると、「自動車タイヤ(4社)」が5575円、1・94%(同一企業における昨年実績に比べ、金額で209円、アップ率で0・07ポイントの増)となっている。その他の業種は、「工業用品(20社)」が4646円、1・66%、「はきもの(4社)」が3653円、1・57%、「その他」が3997円で1・40%となっており、いずれも金額で数10円、率で0・01~0・03ポイントとわずかに前年実績を下回っているが、ほぼ前年並みとなっている。
2013年05月13日