新製品・新技術の開発を促進 高度化する市場ニーズに対応
信越化学工業
- 東京都千代田区大手町二丁目6番1号
- TEL:03-5298-3211
- http://www.shinetsu.co.jp/
信越化学工業のシリコーンエラストマー部門の販売動向は、メインとなる自動車や事務機器関連の落ち込みによる影響を受けた。自動車用途の製品では、昨年9月のエコカー減税終了後から需要がダウンし、年内いっぱいが底であったが、年明けから徐々に戻り、回復基調にあるという。
一方で、中国江蘇省南通市に建設を進めていた「信越有机硅(南通)有限公司」のシリコーン製造工場が完成し、本格稼働を開始している。新工場は、成形用シリコーンゴム、LIMS、シリコーンRTVゴムなどを生産し、年産2万5千トンの生産能力を有する。同社では、日系メーカーの現地調達の需要などに応えていくとともに、中国市場のニーズに対応して順次、生産製品を拡大していくとしている。
同社では、汎用ゴムとともに特長のある高機能シリコーンゴムの販売にも注力している。ミラブルタイプでは、静電気を帯びない帯電防止用シリコーンゴムやLED照明の光を拡散させる光拡散用シリコーンゴムなどがある。また、液状シリコーンゴム射出成形システム「LIMS」材料では、二次加硫不要型LIMS材料やプライマーレスでプラスチックや金属との一体成形を実現する自己接着LIMS材料などがある。LIMSは、製造工程の短縮化や自動化が可能で、生産性の向上と製品の高品質化を図ることができる。
二次加硫不要型LIMS材料は、乾燥機による二次加硫が不要なため、工程時間の短縮、乾燥機のユーティリティーコストや使用エネルギーが削減できるのが最大の特長。また、低分子シロキサンを低減したことにより、成形時の金型汚れが低減し、金型クリーニングのサイクルを長くでき、主に自動車材料に使用されている。自己接着LIMS材料は、金属およびPC、PBT、PAなどの熱可塑性樹脂に短時間で接着可能で、2色成形やインサート成形を行うことにより、金属または樹脂とシリコーンゴムとの一体成形ができる。