宇部興産 13年3月期 化成品低調で減収減益

2013年05月21日

ゴムタイムス社

 宇部興産の2013年3月期連結決算は、売上高6260億2200万円、前期比2・0%減、営業利益299億6200万円、同34・9%減、経常利益280億4500万円、同31・3%減の減収減益となり、当期純利益は82億6500万円、同64・0%減の大幅な減少となった。
 同社グループは、当期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画の基本方針である「持続的成長を可能にする収益基盤の確立」「財務構造改革の継続」「地球環境問題への対応と貢献」に基づき、各事業課題の解決に向け、取り組んできたものの、為替の変動や海外景気の減速など、不透明な環境が続き減収減益となった。
 セグメント別では、化成品・樹脂セグメントは、ナイロン原料のカプロラクタムは、世界的な景気の減速や中国市場での他社新設備稼働開始に伴う需給緩和により市況が低迷する一方で、原料のベンゼン価格が高騰したため、スプレッド(製品と原料の値差)は好調だった前期に比べ大幅に縮小、ポリブタジエンも中国需要低迷の影響を受け、出荷は前期を下回った。一方、ナイロン樹脂は食品包装フィルム用途を中心として堅調で、工業薬品はアンモニア製品が好調に推移し、売上高は2193億6800万円、同5・0%減、営業利益は50億8800万円、同77・9%減となった。
 機能品・ファインセグメントは、売上高は611億1100万円、同5・1%減、営業利益は12億3600万円、同77・3%減となった。
 医薬セグメントの売上高は114億5200万円、同2・4%増、営業利益は34億2300万円、同8・2%減。
 建設資材セグメントの連結売上高は、2083億6400万円、同0・4%減、営業利益は114億9400万円、同32・5%増。
 機械・金属成形セグメントの売上高は713億1000万円、同1・7%減、営業利益は36億8800万円、同19・5%増。
 エネルギー・環境セグメントの売上高は687億6900万円、同10・0%増、営業利益は59億5900万円、同77・5%増。
 その他のセグメントの売上高は252億9400万円、同2・4%減、営業利益は10億3700万円、同0・3%増。
 2014年3月期の連結業績予想は、売上高は化成品・樹脂セグメント及び機能品・ファインセグメントでの販売数量増による増収等により6750億円、前期比7・8%増、営業利益は、化成品・樹脂セグメント、機能品・ファインセグメント及び建設資材セグメントにおいて販売数量増等による増益が見込まれるため、340億円、同13・5%増、経常利益は285億円、同1・6%増、連結当期純利益は当期に比べ特別損益の改善等を見込み145億円、同75・4%増とそれぞれ見込んでいる。

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