宇部興産 ナイロン、合成ゴム事業を拡大

2013年05月17日

ゴムタイムス社

新中計で1400億円の設備投資

 宇部興産㈱は16日、2015年度を最終年度とする新中期経営計画「Change&Challenge-更なる成長に向けて」を発表した。
 数値目標として営業利益550億円(12年度比84%増)、売上高営業利益率7%以上を目指す。中核基盤事業の収益安定、電池材料、ファインケミカル、医薬事業の成長戦略事業で2020年度に営業利益800億円以上を掲げた。
 中核基盤事業では高付加価値化や機能付与といった競争優位性を発揮でき、今後も需要の拡大が見込まれるナイロン樹脂、合成ゴム事業分野の収益拡大を図る。
 ナイロン樹脂事業ではナイロン6樹脂の押出分野における供給能力増強と新規グレード開発を進め、拡大余地のある射出分野でのグローバル展開を加速させ、コンパウンド体制を強化、カプロラクタムの自消比率を高めることで収益の拡大と安定性向上を図る。
 合成ゴム事業ではタイヤメーカーの増設、省エネタイヤに対応する特殊品ニーズの増加を背景にBR(ポリブタジエンゴム)の特殊品(VCRやリニアタイプ等)比率の拡大を進めるとともに、需要の着実な伸長に対応し、マレーシア合弁会社の立ち上げに続き、、原料ブタジエンの安価・安定確保を担保しながら、次なる海外展開についても積極的に推進する。
 竹下道夫社長は会見で「成長戦略事業への重点投資のみならず、中核基盤事業においても収益拡大が見込める事業には経営資源を積極的に投入する」と述べ、3年間の設備投資額は前中計を上回る1400億円を計画。電池材料(機能膜増産設備)、ナイロン樹脂(ナイロン6増産)、合成ゴム(BR新プラント、能増)、セメント(排熱発電設備)事業の収益基盤強化を図る。

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