ニッタは5月10日、本社で2013年3月期連結決算説明会を開き、國枝信孝社長が決算概況を説明した。
同社の連結売上高は507億8200万円、前期比6・7%減、営業利益9億6700万円、同46・7%減、経常利益48億9300万円、同14・3%減の減収減益となり、当期純利益は38億4800万円、同19・2%減となった。
<ベルト・ゴム製品事業>
ベルト製品は、海外では欧州経済の低迷や中国経済の減速により繊維や金融機械向けが低調に推移した。国内では、食品機械向けの樹脂搬送用ベルトが堅調に推移したものの半導体・液晶市場の設備投資抑制に伴う装置メーカーや関連のロボット分野向けが低調だった。ゴム製品も工作機械向けのシール製品が低迷し、関連会社向けのゴム素材製品も需要業界の低迷により低調に推移した。この結果、同事業の売上高は202億3800万円、同8・2%減となった。営業利益は13億8400万円、同25・7%減となった。
<ホース・チューブ製品事業>
建設機械、産業車両向け油圧ホース製品は、上期は堅調に推移したが、下期は業界の低迷により低調に推移。一般空圧市場および半導体・液晶業界向けチューブ製品は設備投資抑制の影響により低調に推移した。自動車部品では乗用車向け燃料用チューブ、トラック向けエアブレーキ製品とも上半期は堅調だったが、下期は低調に推移した。この結果、売上高は188億3000万円、同6・8%減、営業利益は5億4300万円、同42・9%減となった。
<その他産業用製品事業>
空調製品は、半導体・液晶関連業界の設備投資低迷により低調に推移した。メカトロ・センサ製品は、自動車業界の設備投資の回復を背景に堅調に推移。感温性粘着テープは、国内セラミックコンデンサ業界の需要により前期並みを確保した。この結果、売上高は86億2600万円、同3・8%減、営業損失2億3700万円となった。
<不動産事業>
一部テナントの退去や賃料改定の影響により、売上高は10億5200万円、同3・1%減、営業利益は4億1300万円、同1・5%減となった。
<経営指導事業>
関連会社で主要ユーザーである半導体業界などの需要減により、売上高は8億7300万円、同1・5%減、営業利益は6億6300万円、同4・0%減となった。
國枝社長は3月期の業績について「V2020の初年度で、事業方針に沿い業績改善もみられたが、急速な円高に見舞われた。しかし、事業基盤強化を目指した次の成長戦略の道筋をつけることができたと思う」などと語った。
次期の業績予想は、売上高535億円、前期比5・4%増、営業利益16億円、同65・5%増、経常利益54億円、同10・4%増の増収増益を見込んでいる。設備投資は国内30億円、海外5億円の計35億円を計画している。