バンドー化学の2013年3月期連結決算は、売上高857億7100万円、前期比0・7%減、営業利益40億9400万円、同10・4%減、経常利益47億7900万円、同8・8%増の減収増益となった。当期純利益は25億1000万円で同74・3%増の大幅な増益。
伝動事業については、自動車用伝動ベルト製品は補機駆動用伝動ベルトの販売は減少したが、アジアにおける需要の増加により、オートテンショナや一方向クラッチ内蔵プーリなどの補機駆動用伝動システム製品の販売が伸長した。一般産業用伝動ベルト製品は、産業機械用Vベルトの販売が国内および北米で減少したもののアジアでは市場の成長に合わせた拡販活動により伸長した。
以上の結果、同事業の売上高は550億2900万円、同2・7%増、、営業利益は34億6000万円、同17・9%減となった。
マルチメディアパーツ事業は、新製品を市場投入したが、欧州経済の停滞などの影響を受け、プリンターなどの電子写真出力機器の市場が縮小し、ブレードや精密ベルトなどの販売が減少した。
以上の結果、同事業の売上高は78億5500万円、同12・9%減となり、営業損失1億77900万円(前期は営業損失5億1800万円)となった。なお、市況悪化を踏まえ、マルチメディアパーツ事業に係る製品を製造する足利工場の固定資産につき、減損処理を実施し、特別損失8億5200万円を計上した。
産業資材事業は、火力発電所向けに急傾斜用コンベヤベルトなどの運搬ベルトの販売が伸長したが、鉄道軌道製品などの販売が減少した。この結果、同事業の売上高は172億5200万円、同2・3%減、となったが、コンベヤベルトの採算改善に向けた取り組みの結果、営業利益8億9100万円、同85・3%増となった。
化成品事業は、円高による顧客の海外販売の減少などにより、医療用フィルムや工業用フィルムの販売が減少した。この結果、同事業の売上高は45億2400万円、同8・1%減、営業利益1500万円、同87・1%減となった。
その他の事業では、金属ナノ粒子の製造・販売などの新規事業のほか、ロボット関連デバイス事業などがあり、売上高は14億9300万円、同16・8%減、営業利益7300万円、同28・1%減となった。
次期はゴム・エラストマーや樹脂に関する「コア技術」と「信頼の品質」に磨きをかけ「環境・省エネ・高機能」をキーワードとした付加価値製品を世界中に提供し、ベルトおよび機能製品分野においてグローバルサプライヤーとなることを目指す。
業績予想は、売上高920億円、営業利益56億円、経常利益60億円、当期純利益40億円の増収増益を見込んでいる。