ブリヂストンは5月13日、高減衰ゴム系積層ゴムの新商品発表会を同社麻布研修センターで開いた。
新商品は高減衰ゴム系積層ゴムシリーズ(HDR)の「X0・4R」。また「鉄粉・ゴム混合材プラグ挿入型積層ゴム(eRB)のサイズ拡充も行う。「X0・4R」で33サイズ、「eRB」で56サイズについて、建築基準法に基づく国土交通大臣認定を取得している。
発表会にはインフラ資材開発部の室田伸夫部長、インフラ資材販売促進部の太田雅己課長が出席し、ブリヂストンの免震ゴム事業の歴史や免震ゴム市場の動向などについて解説した。
免震ゴムの効果を最大限に発揮するには、建物の柱にかかる荷重と免震ゴムの種類との組み合わせが重要。新商品の「X0・4R」は、5~10階程度の中低層建物に最適設計され、地震時の建物の揺れをより緩やかにする。また、地震の繰り返しの揺れに対して、免震ゴムが毎回安定した揺れ方をするように改善したことにより、建築設計時における地震シミュレーション精度が向上した。高層建物に採用されることが多い「eRB」は、ラインアップをこれまでの14サイズから70サイズに大幅拡大し、設計の自由度を高めた。
インフラ資材販売促進部の太田課長は「ブリヂストンが1984年、日本初の免震建物に建築免震用積層ゴムを提供して以来、国内のみならず海外を含めて4万基以上を出荷し、建物の安心・安全を足元から支え続けている。近い将来、東南海、関東地域で大地震の発生が予想されており、免震建物のマーケット拡大が期待される」などと語った。
「HDR(X0・4R)」の特長は次の通り。
繰り返し変形を与えると荷重が低下する傾向を示す。この低下の度合いを3サイクル目に対する1サイクル目の比で表現すると、従来品(E0・4)では1・29であったが、新商品は1・16となっており、繰り返しによる特性変化は低減している。大きな変形を経験した後に荷重は低下する傾向を示すが、このような大きな変形前後の特性変化も「X0・4R」は従来品対比で小さくなっている。
新商品は、従来品に比べて、高荷重側での詳細な評価を行うことで、基準面圧の見直しを行い、より大きな柱荷重を支えることが可能となった。具体的には、製品径φ1500㍉サイズで、1700㌧が1900㌧となる。これにより、サイズダウンによるコストの圧縮および免震建物の固有周期のさらなる長周期化が可能となる。
一方、「鉄粉・ゴム混合材プラグ挿入型積層ゴム(eRB)は、積層ゴムの中心孔に鉄粉とゴム(高粘度高分子配合物)を混合した減衰材料を挿入。減衰材料に使用している鉄粉は平均粒径が約40μmであり、鉄粉とゴムの体積比はおよそ3対2.減衰力は鉄粉間の空隙を流動する高粘性材料の流動抵抗力と鉄粉間の摩擦力により発現する。