アキレスはジュニア用スポーツシューズ「瞬足」を2003年に発売して以来、本年5月で10周年の節目を迎えた。これを記念して新商品の瞬足「SO・KU・I・KU」並びに新プロジェクトの発表会を都内の時事通信社ホールで開催した。今回のイベントにはアキレスと製品の共同開発で提携している順天堂大学スポーツ健康科学部バイオメカニクス研究室の柳谷登志雄准教授およびタレント・俳優の照英氏が参加した。
「瞬足」はキャッチフレーズ「コーナーで差をつけろ」で03年にジュニア用スポーツシューズとして開発された。開発チームが研究を重ね、コーナー走行にその特性を発揮する、左右非対称のソールを開発し、独自の設計思想で誕生したが、子どもたちの間で共感を呼び、発売後2年目から飛躍的に販売を伸ばした。09年以降は年間約600万足の販売実績を維持し、今年3月に販売累計4000万足を達成した。
発表会の冒頭、伊藤守社長は「近年は、ジュニア用スポーツシューズ市場の約60%のシェアを確保しており、2人にひとりは瞬足を履いていただいていることになる。ただ単に早く走るためだけのシューズではなく、子どもの足の成長にも配慮した製品造作りがメーカーの社会的責任だと感じている。促育視点で開発を進め、新たなプロジェクトを立ち上げて、更に販売を伸ばしていきたい」などと語った。
発表会は伊藤社長のあいさつのあと、執行役員の永島照明シューズ事業部長が10周年プロジェクトを発表した。これは、アキレスが順天堂大学と共同で提唱する「SO・KU・I・KU(促育)」で、アキレスの子ども靴設計思想に同大学のスポーツバイメカニクス理論を合わせて開発を進めるもの。アキレスは今年8月に「お客様相談室」内に「そくいく相談室(=仮称)」を設置する。
現在「瞬足」は左右非対称ソールを軸に、走りから順次ラインアップも拡充し、2011年の「瞬足ベビー」、女児がメインの「瞬足ダンス」、12年には運動会に参加する父母のための「大人の瞬足」、男児がメインの「瞬足エクストリーマーズ」など、幅広いラインアップを展開している。新商品は、産学協同開発の「SYUNSOKU SO・KU・I・KU」で8月発売予定。
トーク・セッションはアキレスの津端裕シューズ事業部事業企画本部副本部長、順天堂大学の柳谷登志雄准教授、そしてタレント・俳優の照英氏が参加して行われた。津端氏は、子どもたちの足の健康と成長を促す「足育(そくいく)」宣言を行い、今後は「足育」視点での商品開発に注力することなどを強調した。足に合った靴と足の健康を保つための靴選びを保護者ともども双方向で理解を進める「足育」活動を積極展開する方針も示された。
照英氏は「私も2児の父親で、シューズショップに行くと、カラフルで目立つシューズに魅かれるが、子どもの足の成長に適合するシューズ選びが最も重要なことを学んだ。今後は親がしっかりと選択する目を養うことが大切ですね」などと語った。
2013年05月20日