ゴム製品生産は低水準推移
2013年1~3月計 前期比1割の減少に
為替円安、株価高騰による経済効果が期待される中、ゴム製品需要への反映はまだまだのようだ。経済産業省がこのほどまとめた2013年1~3月計のゴム製品生産実績は前年同期比90・6%、33万4647トンの1割減となった。
経済産業省統計によるゴム製品の2013年1~3月計の生産・出荷実績によると、この間のゴム製品生産(新ゴム量)は前年同期比90・6%、33万4647トン、出荷金額は同89・9%、5331億9600万円とともに一割のマイナスとなった。
2012年のゴム製品生産は国内自動車生産が昨年9月以降からエコカー補助金の終了に伴い失速したことに加え、円高、欧州債務危機の長期化、新興国の成長鈍化、日中関係の悪化などの影響を受け、新ゴム量は141万5000トン、前年比96・2%と3年ぶりに前年水準を下回った。
主力の自動車タイヤが輸出を中心に5月以降マイナスとなったほか、8月以降は自動車向けの製品を中心に前年実績を下回る製品が増加していた。
本年に入っても自動車タイヤ以外の工業用品生産のマイナス幅が大きくなってきていた。
2013年1~3月計の自動車タイヤ生産は月を追うごとにマイナス幅が小さくなってきているものの、27万771トン、前年同期比90・5%、出荷金額も2864億7900万円、同91・2%と低水準生産となった。自動車タイヤ、ゴムホース、工業品の主要品目は生産量、出荷金額ともに大幅なマイナスとなっている。
ゴムホース生産は、主要需要先の国内自動車生産が昨年9月に入り、12ヵ月ぶりに減速傾向を示し、土木建設機械および工作機械の受注額も中国の需要減と資源国向け需要が減少傾向に移っている。こうした中、主力ゴム製品の中で唯一、生産が前年同期実績を上回っているのがゴムベルト。ゴムベルトは自動車を中心とする伝動ベルトが落ち込んでいるものの、コンベヤ輸出が資源開発関連需要に支えられ大きく伸びた結果、ゴムベルト全体の生産量は前年同期比104・9%の伸びとなっている。ベルト、ホースを除く工業用ゴム製品も自動車生産減の影響を受け生産量が前年同期比90・4%、出荷金額も同85・8%と落ち込んだが、自動車生産と関連の薄い防舷材は生産量が同155・3%、出荷金額で同122・3%の伸びが目立っている。
また、医療衛生用品がかろうじて生産量では同101・9%と前年同期実績を上回った。工業用ゴム製品の生産統計は5面に掲載。