自動車生産減少が響く 設備投資意欲が低水準
ゴム・樹脂ベルト
日本ゴムベルト工業会がこのほどまとめた2013年1~3月計のゴムベルト生産実績によるとゴムコンベヤベルトの輸出伸長でコンベヤベルトは前年同期比4%増となったものの、伝動ベルトがふるわず全体では7389トン、前年同期比97%の低水準となった。
主力のコンベヤベルトは内需が前年同期比99%、輸出が同109%、内外需合わせたコンベヤベルト生産は4746トン、同104%と前年同期実績を上回った。
コンベヤ内需は震災復興需要、経済環境好転を受け、徐々に需要が回復しつつある。コンベヤ輸出は資源国向けを主体に年初第2四半期までは伸長する予想であったが、ここへきての為替円安で今後さらに需要拡大が期待されている。
一方、自動車用ベルトを中心とする伝動ベルトはエコカー補助金の終了で需要が鈍化、HV車等の増産によるベルト需要構造の変化、自動車向け補修用の減少、半導体製造装置やOA機器向けの落ち込み、欧州金融危機に影響された設備投資の減少により各種製造装置向け需要が低迷しており、歯付ベルトは輸出の落ち込みが大きく471トン、前年同期比85%、V・ファンベルトも内外需ともに低迷、1965トン、同86%となった。伝動ベルト合計では内需2260トン、同88%、輸出が383トン、同75%、合計2643トン、同85%の2ケタ台の落ち込みが続いている。
樹脂ベルトは食品・食品機械向け需要は底固く、精密機械などその他の需要も順調に回復してくると期待されており、2013年1~3月計では生産数量は25万6000㎡、前年同期比103%、出荷金額は市況軟化もあり27億1300万、同99%の横ばいにとどまった。
素材別ではPVC製が
4万9760㎡、同104%、ポリウレタン製が17万2157㎡、同105%となっている。
ゴムホース・金具
経済産業省統計によるゴムホースの2013年1~3月計生産・出荷実績によると、ゴムホース生産は前年同期比85・1%、8469トン、出荷金額も同87・3%、333億6500万円と、生産、出荷ともに2ケタ台の落ち込みとなった。
2012年のゴムホース生産は、主要需要先の国内自動車生産が昨年9月に入り、12ヵ月ぶりに減速傾向を示し、土木建設機械および工作機械の受注額も中国向けの需要減と資源国向け需要が減少傾向に移った。一般産業分野の設備投資意欲も低水準となっていた。本年に入ってもこの傾向は続いており、生産構成の約70%を占める自動車用ホースは、昨年後半の自動車減産要因が払拭されておらず、生産は前年同期比86・1%、5910トン、出荷金額は、同88・3%、255億4600万円となった。構成比約10%の高圧用ホースは、土木建設機械および工作機械の需要減が続き、生産は同82・5%、857トン、出荷金額は同85%、35億1200万円となった。一般汎用ホース(空気、酸素、アセチレン、送水・吸上用)、マリンホース(大口径耐油)、LPGホース、耐油ホース(耐圧70㎏未満)、耐摩ホース、スチームホース、灯油ホース、その他ケミカルホースなどのその他用ホースも一般産業分野の需要減により、生産が同83・2%、1702トン、出荷金額も同83・6%、43億700万円となった。
工業用ゴム製品
防舷材生産5割の伸びに
経済産業省統計による2013年1~3月計の工業用ゴム製品生産・出荷実績によると、ベルト、ホースを除く工業用ゴム製品生産実績は合計で4万1964トン、前年同期比90・4%、出荷金額も同85・8%、1571億5200万円と昨年9月以降の自動車生産の減産が響いている。
品目別には防振ゴムが同86%、、ゴムロールが同86・7%、パッキン類が同93・3%、スポンジ製品が同85・6%と自動車用関連部品は軒並み2ケタ台のダウンとなっている。景気の場バロメーターとなっているゴム板生産がかろうじて同99・1%の横ばいにとどまっている。ゴム板製品は出荷金額も同99・2%とほぼ横ばいとなった。その他工業用ゴム製品は同91・2%となっている。
工業用ゴム製品の中で唯一前年同期実績を上回っているのが資源輸送、港湾整備需要が拡大している防舷材。防舷材は生産が前年同期比155・3%、出荷金額も同122・3%と大きな伸びを見せている。