5年間で設備投資250億円 新中長期経営計画を発表
バンドー化学は23日、同社グループの2013年度から2022年度までの10ヵ年の新中長期経営計画を策定したと発表した。
定量目標として、2017年の売上高は1000億円、営業利益は100億円、新製品比率30%、ROA6%を目指す。また、設備投資額は5年間で250億円、研究開発投資額は5年間で50億円を見込んでいる。
新中長期経営計画のスローガンは「Breakthroughs for the future」=「未来のための躍進」とする。
同社グループは10年後のありたい姿を実現するため、創業以来培ってきたゴム・エラストマー・樹脂の「コア技術」と「信頼の品質」に磨きをかけ、「環境・省エネ・高機能」をキーワードとした付加価値製品を世界中に提供し、ベルトおよび機能製品分野において、グローバルで「際立つ」サプライヤーになることを目指していく方針。
2013年度から2017年度までを中長期経営計画の1st stage(BF―1)として、前中計で打った布石と課題を刈り取り、現事業の進化と深化により、純有利子負債ゼロで、恒常的に営業利益率10%以上を出せる収益体質を確立する。併せて新事業の創出に向けた研究開発と市場開拓を強化し、10年先の飛躍に向けて新製品の開発を完了する。新たに経営目標を設け、「グローバル市場戦略の進化」「製品の進化」「ものづくりの進化」「新事業の創出」「経営品質の進化」の5つの指針のもと、目標達成を目指す。
「グローバル市場戦略の進化」の海外事業としては、アジアを重点地域としてベルト事業分野でアジア市場シェアNo・1を実現することを目指す。既存生産拠点の生産増強・新興国拠点の生産拡大・中国およびASEANを中心にさらなる市場深耕・グレートメコン市場の開拓を行い、4輪・2輪・農機・一般産業機械向け伝動ベルト市場、食品・物流向け軽搬送ベルト市場を重点的に強化する。また、製品の拠点別最適生産・製品の相互補完体制の整備を行っていく。国内事業では市場ニーズにマッチした高機能製品の開発と、顧客に密着した販売網が提供するバリューチェーンで付加価値を向上し、それらの製品を核として周辺事業領域を拡大する。戦略製品として自動車OEM向けベルトおよびシステム、2輪OEM向け用ベルトおよび周辺樹脂製品、軽搬送ベルト、カキトリ機能部品、医療用フイルム、開発戦略製品として平ベルトシステム、クリーン化システム、精密研磨材を挙げ、コア製品の更なる「高機能化」と周辺部品を組合せた「モジュール提案」で顧客のニーズを実現、コア製品に設計・施工・モニタリング・点検等を加えたバリューチェーンで顧客に安心を提供していく。また、販売網の再構築として、顧客の立場で最適な販売の仕組みを構築、エリア区分別にきめ細かい在庫・物流・加工体制を構築していく。
「製品の進化」としてはグローバル各地域の顧客ニーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進、「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」をキーワードとした高付加価値製品を連続的に生み出して育てていく。強化策として、地域ニーズに根差した「市場最適仕様」製品の開発、材料の現地調達化の促進、中国およびタイの技術センターを活用した技術サービス、製品開発体制の強化、「eco moving」製品の拡充で環境負荷低減と省エネに貢献、コア製品の高付加価値化と単一機能製品から機能複合化への進化や、周辺部品を組み合わせたモジュール化でニーズを実現する。
「ものづくりの進化」では顧客からの信頼をさらに強固にするため、全ライン不良率の一桁改善を実現、また、競争他社に勝つコスト競争力を実現する。そのために資源生産性・労働生産性・資本生産性の革新、原価企画と開発購買の強化、BPS(BANDO PRODUCTION SYSTEM)活動による改善、製造技術を原点に還り、現ラインを改造または製法を変えた新規ラインの導入などを行っていく。
「新事業の創出」としては、重点市場に向けて、ゴム・エラストマー・樹脂およびそのほか各種材料の配合・分散・複合化技術等のコア技術に磨きをかけ、これに新技術を融合させて練り上げた「とがった技術」をベースに新製品を創出し、次世代の柱となりうる新事業として育成する。重点市場はオプトエレクトロニクス、自動車/交通、エネルギー、ロボットなど。
「経営品質の進化」としては、グループのグローバル総合力を発揮するための経営基盤を強化していく。強化する分野はポートフォリオマネジメント、連結経営管理、人材育成、財務体質など。