次期は約7割が増収増益予想
主要上場ゴム企業の2013年3月期連結決算が出揃った。合成ゴム(JSR、日本ゼオン)2社を含む24社の業績は、業種により内外需とも需要回復度合いが異なり、「増収」企業は半数の13社にとどまり、収益面も原材料高や海外拠点の人件費増、為替差損などの影響で「減益」企業が13社となった。次期(14年3月期)は米国、欧州、アジアの市場回復が期待され、24社中16社(66%)のほぼ7割の企業が「増収増益」決算を見込んでいる。
発表された上場企業の3月期連結決算は、24社合計で売上高が2兆7437億4300万円、同一企業での前期比は7・3%増と堅調な伸びを確保して増収となり、収益面は営業利益が1684億1700万円、同3・1%減、経常利益は1963億1300万円、同5・6%増となった。当期純利益は1197億5400万円、同49・2%増と大幅な増益となった。
12年度は、政府の景気刺激策としてエコカー補助金制度などが実施され、自動車の新車販売が好調で、国内自動車生産も順調に推移、自動車部品需要も堅調な動きとなった。総じて上期は緩やかな回復基調となったが、下期に入り、エコカー補助金の終了、半導体業界の低迷、日中関係の悪化や中国経済の落ち込みなど、昨秋より企業を取り巻く環境は急速に悪化した。
こうした事業動向を背景に、企業業績は業種により明暗が分かれた。3月期決算を分析すると「増収増益」が8社、「増収減益」5社、「減収増益」が3社、「減収減益」8社となり、増収増益と減収減益がともに8社となっている。
業種別では、自動車部品企業は販売回復により「増収」が目立ち、豊田合成、NOK、西川ゴムが増収増益、オカモトも米国での自動車用表皮材が好調で増収増益。東海ゴム工業、フコク、タイガースポリマーは減益ながら売上高は増収となっている。
次期(14年3月期)の業績予想については、円安・株高で日本経済の回復が期待され、米国はもとより欧州市場の緩やかな持ち直しの期待が高まり、24社中16社、全体の66%の企業が増収増益を計画している。