バンドー化学 国内販売網を再構築

2013年05月27日

ゴムタイムス社

 今期増収増益を予想 ベルト、エラストマーの2事業部制に

 バンドー化学の吉井満隆社長は5月23日、東京支店会議室で社長就任後、初めての業績発表記者会見を開き、新中長期経営計画(別項)を発表するとともにベルト事業のグローバル戦略、国内事業における販売網の再構築など今期の経営方針を明らかにした。

 今期(2014年3月期連結決算)業績予想については、売上高920億円、営業利益56億円、経常利益60億円、当期純利益40億円の増収増益を予想。「2年前から投資を進めてきたインド新工場がこの上期に本格量産に入るほか、ベトナム工場も今期から大きく寄与するなど海外事業の拡大を見込んでいる」(吉井社長)。前期海外売上高は総売上高の4割を占め、354億5900万円。営業利益は販売額の増加(9億円)、為替差益(3億円)、コストダウン効果が見込まれるとしている。為替は1ドル93円を想定。

 足元の需要環境については「当社の需要先の4割を占める自動車メーカーの自動車生産の上方修正、アジア、アセアンについては従来通りの大きな伸長はないが、5~6%の成長が見込まれる」とし、国内は円安による輸出環境の改善、海外ではアジア、アセアンでの成長に期待を寄せている。こうした環境下、同社ではグローバルな視点で「市場最適仕様」製品の開発を促進するため、昨年、中国、タイに研究開発センターを設置、現地市場に則した技術情報を収集し、それに合ったスペックを造りこむことで海外事業の拡大に注力する。
 一方、国内では「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する他社との差別化した製品、顧客にとって価値のある製品を開発し提案。国内の販売会社については、100%資本化を達成しており、東日本バンドーと北海道バンドー/西日本バンドーと九州バンドーの統合に加え、 戦略がより浸透しやすい国内7エリア(北海道、東北、関東、中部、近畿・四国、中国、九州)体制とし、販売網を再構築した。
 また、同社では本年4月から「ベルト事業本部」、「エラストマー機能製品事業本部」の2事業本部制に移行、これによる今期売上高予想はベルト事業が790億円、前期比9・3%増、エラストマー機能製品事業部が119億円、同3・9%減を見込んでいる。
 今期の設備投資額は国内35億円、海外23億円の合計58億円を計画。海外はタイ、インドネシア工場の生産能力増強に充当。国内は老朽化設備更新に加え、足利工場での太陽光発電パネル、フィルム事業での新製品ライン新設に充当する。

記者会見する吉井満隆社長

記者会見する吉井満隆社長

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー